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第9節 藤枝 3-1 ジェフ リスキーなプレスの裏を取られて完敗

 今季ここまでのジェフは、攻守に前からの圧力をかけて主導権を握るも、ゴールを奪えずに苦しむ展開ばかりでした。
 しかし、藤枝戦では逆に相手の圧力に屈して、押し込まれる展開が増えてしまいました。
 ここまで攻め込まれた試合は、今季初めてでしたね。

 ジェフとしては押し込めた試合が続いていたからこそ、面を食らった部分もあるのではないでしょうか。
 逆に藤枝は前に行くことで先手を取り、ジェフペースになることを避けるという狙いだったのではないかと思います。
 圧力勝負に負けてしまったとも言えるでしょう。

  
 ただ、長いシーズンですから、毎試合主導権を握れるとは限らない。
 問題はその主導権を握れなかった状況で、どう戦うのかを準備できていなかったことではないでしょうか。
 前節の試合後にも話しましたが、セットした状況での守備に課題があったと思います。

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 また、この日は徳島戦に続いて、前掛かりになった裏を取られて失点しています。
 プレスにいった時のリスクマネジメントにも、大きな課題を感じます。
 単純にコンディションも悪く運動量も少なかった印象で、遅攻時も選手の距離感が遠くミスが多かったですね。

 結局、このチームの立ち上がり時にも感じたように、プレスからのハーフカウンターはいいけれど、それ以外の面には課題を感じる。
 それが浮き彫りになってしまった試合なのかなと思います。 

■藤枝の前への圧力に圧倒された前半

 前節負傷交代した小森が不在となったジェフは、呉屋がスタメン復帰。
 控えから高橋が外れて、福満がベンチ入り。

 藤枝はボランチの新井泰貴がサブに回って、水野がスタメンに。
 控えには、新潟からレンタル中の矢村などが入っています。
 ジェフU-18出身の左WB榎本は、本日もスタメン。


 5分、藤枝のチャンス。
 中盤でのクイックリスタートから、久保がスルーパスを出し左サイドを岩渕が抜けてシュート。
 GK新井がセーブし、こぼれ球を岩淵がミドルシュートを狙いますが、バーの上。

 11分、藤枝が先制。
 ジェフのパスミスからのカウンターで、久保が持ち上がって中央へ。 
 岩渕、横山と繋いで、左サイドからミドルシュートを放ち0-1。


 立ち上がりから、藤枝の前への圧力に圧倒されてしまったジェフ。
 失点後も攻め込まれる展開が続き、劣勢が続きます。
 攻撃ではプレスに苦しみ、守備でも2列目を捕まえ切れません。

 18分にも藤枝の攻撃。
 左サイドからのCK。
 横山が蹴ると川島が合わせますが、枠の外。


 30分頃から藤枝の圧力も若干落ち着いていきますが、39分に藤枝が追加点。
 右サイドの久保がハーフウェイライン付近から、前線へ浮き球のスルーパス
 これに渡邉が抜け出して、ワンタッチでボールに触り0‐2。 

 その直後にも藤枝のチャンス。
 カウンターから横山が左サイドを持ち上がっていき、カットインしてミドルシュート
 しかし、ポスト直撃。

 43分にはジェフの攻撃。 
 右サイドの風間から内寄りでパスを受けた松田がクロス。
 呉屋がオーバーヘッドで狙いますが、決まらず0‐2で折り返します。

■後半からジェフも前の姿勢を高めるも完敗

 後半からジェフが前への姿勢を強めていきました。
 55分にはジェフの攻撃。
 左サイドの田中が左足でクロスを、ファーに飛び込んだ田口が頭で狙いますが、GK北村の正面。

 しかし、その直後に藤枝が追加点。
 後方の水野から中央への縦パス。
 ぽっかりと空いた横山がスルーパスを送ると、渡邉が抜け出して0‐3。


 60分にも藤枝のチャンス。
 カウンターから横山がスルーパス
 渡邉が抜け出してシュートを放ちますが、ゴールの右。

 その直後、松田、田中、風間に代えて、佐々木、末吉、ブワニカを投入。
 ブワニカが右シャドー、末吉が右WBに入る3‐6‐1になりました。
 65分には藤枝が水野、岩渕を下げて、新井泰貴、徳永を投入。

 67分にはジェフのチャンス。
 中盤で見木がキープしてスルーパス
 日高が走り込んでいってシュートを放ちますが、GK北村がセーブ。


 72分、藤枝は渡辺、久保を下げて、久富、矢村を投入。
 79分にも藤枝の決定機。
 右サイドの久富から、ニアの横山がフリーで合わせますが、ポスト直撃。 

 その直後、ジェフは呉屋を下げて椿を投入し、ブワニカが前線へ。
 81分にはジェフのチャンス。
 左サイドから椿がカットインしていってシュートを放ちますが、ポスト直撃。


 その直後、藤枝は榎本を下げて中井を起用。
 89分にはジェフの攻撃。
 中盤左からのFKを佐々木が直接狙いますが、これも枠を捉えきれず。

 91分にジェフが1点を返します。
 左サイドからのCK。
 田口が蹴って鈴木大輔が合わせてゴールを決めますが、1‐3で完敗となってしまいました。

■リスキーなプレスを諦めるのかそれとも

 この日のジェフは、序盤からプレスが全くはまりませんでした。
 負傷した小森に代わって呉屋が起用されたことと、藤枝がGK北村を加えた数的優位のビルドアップに苦しんだ部分があったと思います。
 単純に全体の運動量も足りず、前へ行き切れなかったところもあるでしょう。

 相手が3バックということで、この日もジェフは左SH見木を前に出した4‐3‐3でプレスにいきました。
 しかし、上記の理由で前からのプレスがはまらなかったこともあり、逆に中盤の薄さを突かれてしまった。
 特に序盤は見木の裏を取るために、右WB久保だけでなく右シャドーの横山も流れて、サイドで数的優位を作られてしまいました。


 実際、前半の2ゴールはともに、相手の右サイドから攻撃を作られています。
 前節徳島戦でもプレスの裏を取られて失点していますし、守備の問題が顕著に出てきてしまいました。
 また、藤枝戦ではシステムのミスマッチにも、苦労した印象です。

 ジェフが4バックなのに対して、藤枝は3バック。
 中盤での藤枝は左右WBと左右シャドーに加えて、1トップやボランチも絡んでくる。
 これらの選手が横幅も使って仕掛けてくるため、ジェフは相手の2列目を掴み切れずに苦しんでしまいました。


 特に今年のジェフは、マンマーク意識の高い守備を実施している。
 しかし、前からのプレスもはまらず、中盤後方も数的不利が生まれがちということで、どうしても後手に回ることが多かったと思います。
 冒頭でも話したように、セットした状態での守備が課題だと思います。

 そして、プレス時のリスクケアも、大きな不安になりつつあります。
 前半は見木の裏がを狙われてしまったし、後半も田口が前に出がちだったこともあって、中盤がぽっかりと空いたシーンが目立った。
 前へ行く姿勢は買いたい気持ちもありますが、かなりリスキーな印象も受けますし、プレスに行きながらバランスを取ること、プレスに行けなかった時の守備対応などを、考え直さなければいけない部分があるのではないでしょうか。


 これがここまである程度勝星を拾えたのであれば、1つの勉強として受け止めることも出来たかもしれません。
 しかし、開幕戦から勝てていないだけに、この完敗は重くのしかかりますね。
 今後も相手次第、コンディション次第では、前にプレスに行って、主導権を握り続けることは出来るのではないかと思います。

 しかし、今回のように相手に主導権を握られてしまう試合も出てくるだろうし、毎試合プレスに行けるとは思えない。
 その時にまたぽっかりと中盤が空いてしまうような状況が生まれてしまえば、安定した勝点は望めないかもしれない。
 そうなると、普段から極端なプレスを仕掛けるのは諦めるのか。

 けれども、そうなってしまうと、新チームの特徴も失われてしまうかもしれません。
 だからこそ、個人的にはもっと遅攻の面を重視してほしかったし、セットした守備も強化してほしいところがあったのですが、強みの強化を重視という気持ちもわからなくもないですし、難しいところですね。
 いずれにせよ、リスキーなプレスからのハーフカウンターだけでは厳しいと私は思いますので、改善策を見つけて欲しいところではないでしょうか。