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中央のポジションに移った見木友哉のシュートからブワニカ啓太がゴール

 4月16日(日)の東京V戦、ジェフは1‐0で勝利を遂げました。
 開幕戦以来、実に2か月ぶりの勝ち星ということになります。

 ゴールシーンは昨日も触れたように、鈴木大輔が前に出てボールを奪取したところからスタート。
 そこから素早く縦パスを出したことによって、バイタルエリアで見木が前を向いて仕掛けられる展開が作れました。
 そのまま見木が持ち上がって放ったシュートはGKマテウスに止められますが、ブワニカが押し込んでゴールを決めています。

 この日のジェフは藤枝戦の敗戦も加味してか、一部メンバーが入れ替わりました。

 特に2列目が大きく入れ替わっており、左に椿、中央に見木、右に福満という並びに。
 左SHは見木を固定化し、中央で風間の代わりに福満、右SHに椿をもう一度試す選択肢もあったと思います。
 それでも中央に見木を移したのは、左SH見木がここまでなかなかはまらなかったことが、大きかったのではないかと予想します。


 今季の見木は、ここまで左SHでプレー。
 守備時は前線に上がったり、左SHの位置で対応することが多いですが、攻撃時は中盤中央寄りでプレーすることが多い。
 所謂インサイドハーフに近い位置と言えると思います。

 しかし、ここでの見木は、効果的に攻撃に絡めることが非常に少なかった。
 外から中に入ってきても、相手ボランチの前でボールを受けてバックパスを戻してしまうことが多く、前を向いてパスを出したり、繫ぎのパスを展開することが少ない。
 さらに強引に仕掛けようという意識が強く、そこで攻撃のリズムが遅れてしまう場面も目立っていたと思います。


 そのあたり、わかりやすく出ていたのが、パスの方向性と数字。
 SPORTERIAでは、各選手のパスの数や距離などを示した図が掲載されています。
 周囲との比較のため、3‐1‐4‐2時代の試合情報を取り上げますが、攻撃時に左インサイドに入っていた見木は、右インサイドの田口と比べて、縦へパスを出せていなかったことがはっきりとわかります。

sporteria.jp

 役割の違いなどは多少ありますが、その他の試合でも基本的に今季の見木はバックパスが多くなっているようです。

 チームの狙いとしては、左SHがインサイドに入って、ハーフスペースで受けることで、相手の守備のギャップを突く。
 そして、空いた大外は左SB日高が使うという、5レーン理論も意識した形を取ろうとしていたのだろうと思います。
 そこで相手の間で受ける役割を見木に期待したのでしょうし、見木は前線で使うにはスピード含むフィジカル面で、物足りない部分があると見られのかもしれません。


 実際、長期的に見れば、中盤でも貢献できるようになった方が、良いタイプではないかと思います。
 しかし、見木は昨年までにも何度か話していますが、相手の間で受ける、中盤のビルドアップに貢献するという動きは意外と得意ではない。
 そのため、昨年も押せ押せの試合ならいいけれど、劣勢になると試合から消えてしまう傾向にありました。

 今季左SHに移ってもその傾向は変わらず、インサイドではうまくパスワークに絡めなかったため、前線に移さざるを得なかったのではないでしょうか。
 今季の左SHでも、パスワークなどは関係のないカウンター展開なら仕掛けの強みを発揮できる。
 あるいは昨年までの左シャドーも個人技での仕掛け重視のスタイルだったのでまだ良かったのでしょうが、今季インサイドでゲームを作るような動きには課題があるのでしょう。


 それでも守備では懸命に貢献してくれるし、一発での打開力もある選手。
 ここまでは見木が攻撃面でノッキングを起こしてしまうことも多かった印象でしたが、それでも全試合スタメンでほぼフル出場を果たしていることからも、小林監督からの期待は大きいのでしょう。
 主軸選手として期待することで、どこかでもう一皮向けて欲しいという思いがあるのではないでしょうか。

 ただ、もう1つの問題として、ここまでの見木はゴールを決めきれていない。
 チャンスがあるのにも関わらず決められていないのは、見木が一発で勝負を決めようという意識が強すぎるからではないでしょうか。
 自分でゴールを決める、試合を決めるという意欲が強すぎた結果、相手にプレーを読まれているように見えます。

 自分で勝負を決めたいという気持ちは買いたい部分もありますが、そればかりではエゴイスティックな選手になってしまう。
 あくまでもチームとして勝点を得ることが何よりも大事なはずで、そのためには周りとの連携も重要なはずです。
 見木に関して言えば、ゴールを決めることがブレイクスルーになるのではなく、周りを活かしたプレーを出来るようになることが成長において大事な要素になるのではないかと思いますので、焦らずにプレーできるように頑張ってほしいと思います。