首位町田戦は、悔しい展開で終わってしまいました。
負傷者が出たのか、数名の主力選手が不在となってしまったジェフ。
不安もあったのですが、内容としては決して悪くなかったと思います。
むしろ、後半ATまではジェフペースだったようにも思え、対町田の有効策が見えたようにも思いました。
フィジカル面に優れた堅守速攻の町田に対し、スペースを与えず、丁寧に戦う。
しっかりとパスを繋いで、無駄なロストをなくし、ダメな時はロングボールを蹴って、カウンターの機会を与えない。
単純ではありますが、町田のようなチーム相手には有効な策だと思います。
考えてみればこれは、青森山田対策にも近いものがあるのかもしれませんね。
しかし、試合には勝てなかった。
勝てなかったポイントは、先週も話したように、やはりチャンスが作れない。
前節仙台戦のようなパスミスもなかったですし、ビルドアップはしっかりと作れていた。
特にDFが引き付けボランチが相手2トップの裏を取って攻撃を展開する形は何度も出来ていましたが、そこからのチャンスメイクがうまくいかないのが大きな課題となっています。
一方の町田はここまでの試合でもスッキリとした内容ではなくても、一発でゴールを決めてしまうところがある。
そこが勢いでもあり、エリキなどの最後の個の能力でもあるのだろうなと思います。
その勢いをもぎたい試合でしたが、ジェフとしては勿体ない試合となってしまいました。
■ジェフがボールを持ち均衡状態の前半
ジェフは日高、風間が不在で、田中も控えに。新明、高橋、松田がスタメンに入りました。
サブからも熊谷、米倉、呉屋が外れ、矢口、高木が復帰。
首位町田は平河が出場停止。
稲葉、荒木が控えに回り高橋、髙江、安井がスタメンに。
控えからは深津、中島が外れてグティエレスが入りました。
8分、ジェフの攻撃。
相手のクリアを中盤で見木が拾って、西久保がクロス。
新明がニアで合わせますが、枠の外。
14分、町田のチャンス。
見木が与えてしまったFK。
中盤の左から直接狙いますが、GK新井が横っ飛びでセーブ。
試合はジェフがボールを持って、町田がカウンターを狙う展開。
ジェフはこの日も相手を引き付けて、中盤へ繋ぐ形でした。
小森を狙った長いボールもありましたが、うまくつながらず睨み合いが続きます。
23分、町田のカウンター。
椿のドリブルが奪われたところから、デュークが長い距離を持ち上がってエリキにパス。
再びデュークが受け直してシュートを放ちますが、GK新井が触ってゴールならず。
35分にも町田の攻撃。
右SB奥山が中盤後方からアーリークロス。
デュークがファーで頭で合わせますが、GK新井が正面でキャッチ。
その後もお互いに膠着状態が続きます。
ボールを保持するのはジェフですが、シュートまで持ち込めず。
町田もチャンスを作れずに、前半を終えます。
■徐々にジェフが攻め込む展開も終盤の2失点に散る
開始早々、町田の攻撃。距離がある位置からのロングスロー。
翁長が投げると、こぼれたところを藤原が狙いますが、ゴールの左。
62分、町田のチャンス。
デュークが左サイドで粘ってクロス。
エリキがオーバーへっとで狙いますが、ゴールの右。
その直後、ジェフは椿、新明を下げて、田中、末吉を投入、田中が左、末吉が右に入りました。
64分、町田も高橋、安井を下げて、沼田、荒木を投入。
後半に入ってジェフはより積極的に仕掛けていきますが、チャンスまでは作れず。
それでも68分、ジェフのチャンス。
中盤で小林、末吉がプレスにいきボールを奪って田中が持ち上がり、見木、高橋と繋いでシュート。
GKポープがこぼしたところを、小森、見木が狙いますが、GKがセーブ。
71分、町田はデュークを下げて藤尾を投入。
74分、ジェフは松田を下げて矢口を投入。
町田は徐々に疲れが見え始め、ジェフが攻め続ける展開に。
80分、町田は高江を下げて稲葉を投入。
81分、ジェフの決定機。
高い位置で見木がプレスに行き、田中がシュートを放ちますが、GKポープがファインセーブ。
82分、ジェフは小森に代えてブワニカを起用。
88分にもジェフのチャンス。
中盤左で得たFKを高樫が蹴り、鈴木が頭から飛び込みますが枠の外。
ジェフが攻め込み続けていましたが、90分、町田が先制。
右サイドの守備に一瞬西久保が遅れて、荒木がフリーでクロス。
ニアでエリキが触って、ファーの沼田が合わせて0‐1。
92分にも町田のチャンス。
右サイドをエリキが抜け出してクロス。
荒木がニアで合わせますが、GK新井がセーブ。
95分、町田が追加点。
相手のクリアから小林が後方で転倒してしまい、エリキが持ち上がってラストパス。
最後は藤尾が合わせて0‐2で敗戦となってしまいました。
■新たな可能性を感じるもチャンスメイクに課題
ジェフは風間、日高が不在、田中がベンチに回り、トップ下に見木、ボランチに高橋、右SHに新明、左SBに松田が入りました。主力が欠けて心配しましたが、これが逆に新たな可能性を感じた部分もありました。
ここまでの試合では、右SB西久保が後方に引いて3バックでビルドアップを展開していましたが、今回は逆足ということもあってか左SB松田が下がって3バックになっていました。
その分、左SH椿がサイドに張って、トップ下の見木が左に流れることが多い展開に。
正直、日高と椿はプレーエリアが被っていた印象もあったので、結果的にそこが解消されたようにも思います。
さらに右サイドでは西久保が高い位置を取る分、新明が中央寄りでプレー。
新明が前線のような動きをすることで、前節も感じられた1トップの薄さを埋める働きをしていました。
新明の動きはまだ粗削りな部分もあったかとは思いますが、ここが一番新たな可能性を感じた部分だったように思います。
また、見木が前線に入りボランチに高橋が入った方が、守備面も安定したように思います。
ここは対町田も意識した部分があるのかもしれませんが、サイズの面では課題のある見木も、前線においてのプレスでは大いに貢献できる。
久々のスタメンとなったボランチの高橋も、落ち着いてプレー出来ていたと思います。
全体的な動きの面でも、先週も話したように、ここまでのジェフは西久保が下がって相手左SHを引き出し、そこで風間が受けるという展開が流れ作業のような形になっていた。
その分、そのパターン一辺倒になり、対策を取られがちだったところもあると思います。
しかし、今回は全体の動きを変えたことによって、結果的にピッチ全体でボールを動かしボールを受けるという意識が生まれた部分もあったと思います。
そこも新たな可能性の1つではないかと思います。
ただ、そこからチャンスまでは、今回もなかなか作れなかった。
風間頼りにならなかったのは結果的に良かったようにも思いますが、やはり中盤の高い位置でうまく受ける選手が他にいなかった。
あるいは、攻撃で変化をつけるという意味でも、風間がいないと物足りない部分があると思います。
椿も素早くパスを出せるところで迷って失ってしまうシーンがあったし、見木も良い形で前を向ける回数は少なかった。
チームとしても中盤まで持ち上がる形は作れていましたが、そこからどのようにチャンスを作るイメージなのか。
素早くパスを繋ぐのか、誰かがタメを作る形なのか、裏を突くのがメインなのか。
ちょうど昨日上げた動画でも若干触れましたが、今年はそのチャンスメイクの部分を、個の突破に頼りすぎな印象もなくはありません。
もう少し連携して、攻撃を作るという形を作る必要もあるのではないでしょうか。
とはいえ、若い新明なども頑張っていたし、新たな可能性も見せていただけに、是が非でも結果を残したい試合でした。
しかも、首位を直接叩いて、リーグの流れを変えるチャンスでもあったかもしれない。
こういったところで勝てないところが、今季の課題ですね。
チーム単位でも課題はありますが、選手個々でも試合を決める選手の存在というものが足りていないのかもしれません。
この悔しさを胸に、チームとしても選手個々も、もう一皮も二皮も向けていかなければいけませんね。