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元ジェフ・エスナイデル監督率いる山口が見せる堅守のサッカー

 前節首位町田を下したジェフ。
 今週末はホームフクアリで山口と対戦します。

 山口は5月末に名塚監督を解任すると、ジェフでも指揮を執ったエスナイデル監督をまさかの招聘。
 さらに驚いたことに、初戦こそ甲府に0‐4と大敗しますが、その後は6試合無失点と堅守のチームになっています。
 得点は多かったものの失点も増えた、ジェフ時代には考えにくいことですね。


 しかし、エスナイデル監督はジェフ初年度もシーズン終盤まで成績を伸ばせずにいると、ハイプレス・ハイラインを諦めて堅守速攻スタイルにシフトし、ラスト7戦で7連勝を決めてプレーオフに進出した経緯があります。
 今でも「エスナイデル監督も1年目は結果を残した」と言われることがありますが、具体的に見れば世間一般のイメージであるハイプレス・ハイラインで結果を残せたわけではなく、追い詰められて堅守速攻に切り替え成功したというのが正しいでしょう。
 それ故、2年目以降も堅守速攻なら期待したいとブログでも書いていましたが、案の定ハイプレス・ハイラインに戻すとそれ以降は大きく浮上することなく終わっています。

 今回の山口でも攻撃的な意識は感じるものの、極端なハイプレスは実施していません。
 プレスの意識は高めですが、どちらかといえばジェフ初年度終盤の堅守速攻に近い印象を受ける。
 本来CBやSBでプレーする高橋秀典を右SHで起用していることからも、当時はあまり感じなかった守備面を大事にしているように見えます。


 もともと山口は攻撃的なスタイルを目指し比較的高いラインで戦っていたため、順応しやすかった部分も大きいでしょう。
 また、攻撃においてもボールを奪ってからの鋭い縦パスが機能しており、そこから中央への縦パスも効果的に出せている。
 この中央への縦パスもジェフ時代は少なかったですが、そこは名塚監督の遺産が残っているように思えます。

 前節秋田には苦しみ1‐2で敗戦していますが、当時のジェフも堅守速攻相手には苦戦する傾向がありました。
 プレスをかけにいってもロングボールでかわされ、薄くなったアンカー脇や後方などを狙われてしまい、攻撃でもスペースがないとチャンスを作れなくなる。
 山口でも徐々にエスナイデル監督の色が強まっている印象で、遅攻ではアンカーが下がり、インサイドがサイドに開くUの字のビルドアップが増えていき、サイド攻撃偏重になりつつあるようにも感じます。


 サイド攻撃中心では、秋田のようなチームを崩すのは難しい。
 ただ、ジェフのように前に出てくるチームには、エスナイデル監督のサッカーは強い印象がありました。
 当時は積極的に前に人数をかけて押し込み、縦への思い切った展開と、人数優位で攻め込んでいっていた。

 ただ、エスナイデル監督のプレスはいわゆる強度はジェフ時代から強かったものの、1つかわせばスペースを突かれる脆さがあった。
 それが山口では無理なハイラインを敷かず全体的に重心が下がったていることで、今のところ良いバランスで戦っている印象があります。
 ジェフ初年度終盤のように後がない状況で監督を引き受けたことで現実路線で戦えているのか、就任当初だからまだ自分のカラーを出しきれていないところもあるのでしょうか。


 ジェフとしてはうまくそのプレスを掻い潜りつつ、その裏を突くことができるか。
 前節町田戦ではサイド攻撃もうまくいったし、カウンターも狙うことが出来ましたが、相手の守備に課題も感じました。
 町田はシーズン中の補強もあってメンバーが入れ替わっていますが、それによって守備のベースに不安が生じているようにも見えましたし、無暗に補強すればいい、選手を入れ替えればいいというものではないという教訓にもなるのではないかと思います。

 なお、今週、山口はエスナイデル監督時代にジェフでプレーした、キム・ボムヨンの獲得を発表
 ただ、ここまで山口でうまくやってきたのも、山口の良い部分も残して戦ってきたからこそではないかと思います。
 あまり当時のジェフに近づくのは得策ではないようにも思いますが、今後どうなるのでしょう。


 ここ最近の山口も好調ですが、ジェフもそれは同じ。
 ここ7試合で3勝3分1敗という成績は、ちょうど同じ結果となります。
 昨日投稿したYoutubeでも話したのですが、右SBに高橋を配置してSBを前に出して中盤を厚く出来たことや2列目の選手が入れ替わったことが、好調の要因なのではないかと思います。


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 ただ、後方でのパスミスは町田戦でも目立ちましたし、今の山口はプレスのバランスが良い。
 町田戦のように良いリズムでパスワークを展開するのは、難しいのかもしれません。

 それでも臆さずにパスワークを展開し、自分たちのやりたいサッカーを追求できるか。
 山口に限らずジェフのパスワークは警戒されていくことになるでしょうし、それでもやり切れるかどうかが重要ではないかと思います。
 清水戦、町田戦は国立開催や首位相手ということで気合いが入っていたところがあると思うのですが、それ以外の試合でも強い気持ちで戦って巻き返していきたいですね。