ここ2試合はハイプレスから押せ押せの展開を作り、先行逃げ切りの勝利を上げてきたジェフ。
熊本戦では、また違った展開となりました。
熊本はリーグ戦での勝ち星から、長く遠ざかっていること。
天皇杯による連戦もあったこと。
ジェフのハイプレスを警戒してきたことなどもあって、前半からかなり守備的なサッカーを展開してきました。
攻守に前に出てくることが少なく、後方に人数を残して戦ってきました。
それもあって、ジェフがハイプレスからハーフカウンターを仕掛けられる場面が少なかった。
ジェフがボールを持ち、熊本が引いて守る試合展開となりました。
ただ、ジェフが攻めあぐねたという印象は少なく、ボールを持たされながらもチャンスは何度か作っていました。
特に前半はそこで決めきれず、苦しい展開となってしまった試合だったと思います。
ドゥドゥ、小森のチャンスは決めきれたかったところですね。
決定力の問題はありましたが、試合の流れは悪くなかったと思います。
2試合連続で3点も先行した試合の後だったので、モヤモヤした部分もありましたが、藤枝、磐田は攻撃的なチームということもあって、裏を取りやすかったところもある。
守備的な戦い方をしてきた熊本相手にも、しっかりと崩す展開を作れて勝利を上げられたことは、今後の試合を考えても大きいのではないでしょうか。
■チャンスを作るも決めきれない前半
ジェフは前節負傷交代した佐々木がメンバー外で、新井一耀がスタメンに。控えにメンデスが入りました。
熊本は水曜日の天皇杯神戸戦で、17歳のFW道脇が骨折し酒井も負傷。
粟飯原も出場停止で、天皇杯に続いて竹本が前線に入り左WBに田辺。
酒井の代わりにCB阿部が入りました。
5分、ジェフの攻撃。
風間が中盤で得たFK。
田口が直接狙いましたが、ゴールの右。
13分、ジェフのチャンス。
右サイドからのCK。
田口が蹴ってこぼれたところを高橋が競り、田中がミドルで狙いますが、GK田代がセーブ。
序盤から、ジェフがボールを持つ展開に。
熊本はかなり慎重なスタートで、守備を重視した戦い方をしてきました。
ただ、ジェフもハイプレスからカウンターとはいかず、じっくりと攻めていきます。
20分にもジェフの決定機。
鈴木大輔からの縦パスを見木、日高で繋いで中央へ。
風間がうまくキープしたところからスルーパスを出すと、ドゥドゥが抜け出してシュートを放ちますがGK田代がファインセーブ。
その直後にもジェフの決定機。
高い位置で田口がボールを奪うと、風間が素早く中央へ。
小森がボレーで狙いましたが、バー直撃。
22分にもジェフのチャンス。
高橋のクリアから、ドゥドゥが持ち上がり中央へ。
風間が右サイドへ繋ぐと、田中が狙いますが、サイドネット。
31分にもジェフの攻撃。
右サイドからのCK。
ファーの小森がフリーで合わせますが、GK田代の帳面。
その直後、熊本の攻撃。
左サイドからのパスワーク。
松岡が粘って阿部がカットインし、ミドルシュートを狙いますが枠の外。
その後もジェフが優勢に進めますが、ゴールは奪えず。
0‐0で折り返します。
■試合終盤に米倉がゴールを決めて勝利
後半に入って熊本が前への姿勢を強めましたが、それでもジェフがボールを握る展開に。54分、ジェフの攻撃。
中盤の見木が縦パスを出し、日高、風間と絡んで持ち上がり、最後は小森が狙いますが、ゴールの左。
その直後には熊本の攻撃。
左サイドからパスを繋いでいき、竹本が落として松岡がダイレクトでシュート。
しかし、GK鈴木の正面。
60分、ジェフはドゥドゥを下げて米倉を投入し、田中が左SHへ。
63分、熊本は田辺に代えて豊田を投入。
ジェフの運動量が落ちていき、試合は停滞状態に。
70分、熊本は黒木、竹本を下げて、岡崎、大崎を投入。
ジェフも田中、風間を下げて、高木、小林を投入。
見木がトップ下に回り、攻撃時は小林が左インサイドに。
75分には熊本のチャンス。
小林のパスミスから、平河のパスを受けた大崎が持ち上がってシュート。
しかし、GK鈴木がファインセーブ。
77分にはジェフのチャンス。
左サイドの高木の展開から、高橋が受けて米倉がクロス。
小森が足元で合わせますが、GK田代の正面。
その直後には熊本のチャンス。
島村の展開から、大本がカットインしてミドルシュート。
しかし、ゴールの左を逸れます。
78分、小森、新井一耀を下げて呉屋、メンデスを投入。
85分、ジェフがようやく先制。
高木のクロスをGK田代がキャッチミス、呉屋が繋いで米倉が合わせ1‐0。
その直後、熊本は松岡、島村を下げて、土信田、東山を投入。
87分にもジェフの攻撃。
中盤の田口からのスルーパスに反応した高木が抜け出して、シュートを放ちますがゴールの左。
91分には熊本の決定機。
左サイドの大本が、日高をかわしてグラウンダーのクロス。
ファーの土信田が合わせますが決めきれず、ジェフが何とか逃げ切りました。
■守備的な熊本に勝利し遅攻の質も見られた試合
冒頭で話した通り、熊本はかなり守備的なサッカーを展開してきました。本来は攻撃的なチームですが、現状を考えると仕方のないところもあるのでしょう。
攻撃では前にかけていく人数も少なく、長いボールも多かった。
GKからロングキックを選択する場面が目立ちましたが、ことごとくジェフのDF陣が跳ね返しボールを奪っていきました。
それもあって、ジェフが攻撃を仕掛け続ける展開となりました。
守備時もジェフのDFに、プレスをかけていくことが少なかった。
5バックを維持することが多く、ウイングも下がって5‐4‐1状態になる。
後方に多くの人数をかけて、守ることが多かったですね。
特に風間と田中に対しては警戒していたのか、マンマーク気味に守ってきました。
そのためここ数戦に比べて、田中が右サイドをフリーで駆け上がる展開も少なかったと思います。
ただ、それでもうまく風間は相手をかわしてボールを受けていたし、田中もうまく攻撃に絡んでいた印象です。
後方からのビルドアップも、佐々木が不在で若干連携面で苦労したところがあったと思います。
それでもグラウンダーの縦パスから風間や小森が受けて、代わりにドゥドゥなどが前に出る展開などで、攻撃を作っていきました。
かなり流動的な動きになってきて、ワンタッチのパスなども挟み、スムーズな攻撃が作れていますね。
ここ数戦はハーフカウンターからチャンスを作っていたので、逆に遅攻などの質は見えてこなかった。
しかし、今回は熊本が守備的に戦ってきたため、ジェフがボールを持つ展開が増えましたが、それでも攻撃面の質は十分に見せてくれたと思います。
なかなかゴールが決まらず、苦労した試合ではありましたが、こういった試合をモノにすることが大事ですね。
守備面でも後半などは若干運動量が落ちて、スペースが出来かけていました。
それでも最終ラインは粘り強く守れていたと思いますし、無失点で勝てたことも今後の自信に繋がるのではないでしょうか。
小林の起用も良かったと思いますし、メンデスを試せたことも、どこかでプラスに働くかもしれません。
熊本は動きも悪く、勝つべき試合ではあったと思います。
それでも苦戦することがあるのがサッカーですし、勝ち切ることが大事だったと思います。
こうして勝ち慣れていくことで、昇格争いに殴り込みに行きたいですね。