京都からレンタル移籍で加入していた、田中が完全移籍でジェフに加入することになりました。
オフの大きな懸念材料だったので、ほっと一安心ですね。
2022年に法政大から京都に加入した田中ですが、1年目は出番に恵まれず。
今年初め、レンタルでジェフに加入しました。
ジェフでは開幕戦から途中出場を果たしますが、いきなりの退場という経験もしてしまいます。
当初は左サイドや前線でも起用されるなどポジションが定まらず、まとまった出場時間も得られませんでした。
しかし、第6節大分戦でスタメン起用。
スピードあふれる縦への突破と、運動量豊富なアップダウンを見せて活躍し、そこから一躍右サイドの主力選手としてプレーしていきます。
5月、6月頃には、スタメンを外される時期もありましたが、7月中旬からは不動のレギュラーに。
夏にはライバルだった末吉が、岡山にレンタル移籍。
ポジション争いで、末吉に勝ったということになると思います。
ポイントとなったのは、末吉とは異なり守備力が高く、激しく相手に詰められること。
球際の厳しさは小林監督の大事にしているところですし、ハイプレス中心のサッカーをするにおいては欠かせない要素だったと思います。
また、縦に長い距離をスプリントできることで、右サイドで攻撃の幅を取れることは、5レーン的な意識も持つジェフのスタイルにおいて貴重な存在だと思います。
さらに、まだ23歳ということで、伸びしろも期待できる。
クロスやシュート精度の質だとか、攻撃時の判断能力などにおいては課題もある選手だと思いますが、左右両足で蹴れるし基礎的な技術もある選手だと思うので、経験を積めば成長できる可能性を感じさせるところがあると思います。
我武者羅で泥臭いプレースタイルはジェフで好かれるタイプだとも思いますし、田中自身の将来を考えてもジェフに残って成長してほしいところでした。
ただ、京都も戦力的には楽ではない状況だと思います。
今夏にも白井をFC東京に引き抜かれ、大卒新人の福田が右SBのレギュラーとしてプレーしている状況でした。
福田も頑張ってはいますが層が薄くなっていることには間違いなく、田中復帰の可能性も高まっているのかなと思っていただけに、本当に良かったと思います。
加入当初の田中はポジションもなく、プレースタイルは今年のチームに合っていたでしょうが、どのように使うのかもはっきりとしていない状況でした。
しかし、シーズン終盤においては、もはや替えの効かない貴重な存在となっていたと思います。
プロでの経歴が浅かったたため、ジェフ加入時にはあまり話題にもなりませんでしたが、コストもそこまでかかっていないと思いますし、強化部としては先見のある非常に良い補強をしたと言えるでしょう。
現代サッカーではいそうでいないタイプで、シーズン終盤は高木のコンディションが上がらなかったこともあって、縦に鋭く仕掛けられる他の候補が少なかった。
そのため西堂をレンタルで補強したのではないかとも思いますが、シーズン中の加入ということもあって、完全にはフィットしきれなかった印象です。
もしかしたら西堂に目を付けたのは、田中の慰留に黄色信号が灯っているからなのかなとも思ったのですが、杞憂に終わってよかったです。
万が一、小森が移籍してしまったとしても呉屋がいるし、見木が抜けても小林や熊谷がいれば何とかなるかもしれない。
熊谷は現状どうなっているのかわからず、そこは別の心配があるのも事実ですが。
しかし、田中に関してはすぐに変わりの選手の名前が出てくる状況ではないだけに、オフに抜けるのが一番怖い選手とすら考えていました。
特に左右SHはなかなかポジションが固まらず、苦労したシーズンでした。
ようやくはまったのが右の田中で、最後は左のドゥドゥと含めて、良いセットになっていたと思います。
最後のプレーの質や遅攻時の判断などはまだまだ成長段階にあると思いますが、来季もジェフと共にさらに伸びていってほしいですね。