2023年の米倉は、シーズン後半に入って活躍。
右SHのポジションで米倉らしいダイナミックなプレーを見せ、"米倉復活"とすら感じました。
しかし、出場記録を見て見ると、24試合出場でスタメンは2試合のみとなり、出場時間も718分止まり。
2022年は28試合に出場し、スタメン出場が7試合、出場時間も759分ですから、むしろ減少しています。
2019年途中にG大阪からジェフへ復帰した米倉は、その年こそジェフで16試合でスタメン出場を果たし、1440分に出場しています。
しかし、2020年の出場時間は808分、2021年は772分、2022年が759分、2023年が718分と大きな変動ない結果に。
正直ベテラン選手としては、立場的に厳しい状況が続いていたと言えるでしょう。
けれども、2023年の米倉は出場時間こそ伸びませんでしたが、5ゴール2アシストとゴールに絡む大きな結果を残しています。
シーズン後半に途中出場の切り札として活躍し、チームのプレーオフ進出にも貢献しました。
5ゴールという成果は、鈴木監督の下で右SBにコンバートしたあの2011年以来で、あの年は5ゴール11アシストを決めています。
2023年に活躍できたのは、チームのシステムがポイントだったと思います。
小林新監督が就任したジェフは、近年のトレンドにも近いパスサッカーを展開し、SBは攻撃時に中に絞ってボランチに近いタスクをこなす。
そして、SHは逆にワイドに開いてアップダウンすることで、5レーンを使った攻撃を狙っていきました。
特に右サイドが顕著で、右SBには本来ボランチの高橋が入り、右SHにはSBの経験もある田中がメインに入っていた。
だからこそ、右SBでのプレーがメインとなっていた米倉が、右SHではまったと言えるでしょう。
2024年の選手構成に関して記載した際にも話しましたが、昔はSHが中に絞って中盤のタスクをこなし、SBがサイドをアップダウンするチームが多かったですが、現在のトレンドではそれが逆になっているという見方も出来るのかもしれません。
ただ、右SHで起用された米倉も当初サイドをアップダウンしてクロスを上げるタスクがメインでしたが、得点を狙えるセンスを見せ始めて、ゴール前へ飛び込むプレーが増えていきました。
もともとSBに移る前はSHやFWでも起用されることがありましたし、フィジカルが強いのでゴール前でもパワーで勝負できる。
また、昨年の米倉のゴールは劇的な展開も多く、米倉が起用されると盛り上がるというところもあったと思います。
#9月3日#第33節 #ロアッソ熊本 戦
— ジェフユナイテッド市原・千葉(公式) (@jef_united) 2023年9月3日
ゴールシーンをPLAYBACK🎥
86分#米倉恒貴 選手の得点⚽️#高木俊幸 選手が左からのクロス
相手GKのこぼれを#呉屋大翔 選手が折り返し#米倉恒貴 選手の放ったシュートはゴールラインを割った✨
DAZN視聴は💁♀️https://t.co/JtKiOqCnM1 #jefunited #WINBYALL pic.twitter.com/nAIX6UCG5J
強かった頃のジェフもオシム監督が、林、工藤、水野などを投入して、点を取りに行くパターンがありました。
こういったパターンを作ることで、観客の期待感も盛り上げていくというところがあったと思いますし、改めて昨年後半の米倉は出場時間以上に大きな役割を果たしていたと思います。
ただ、リーグ戦最後の3試合は、ベンチにも入らず欠場。
シーズン序盤もメンバー入り出来ず、初めて試合に出場したのは第13節山口戦でした。
今年で36歳になる大ベテランですから、コンディションの方が心配ですね。
昨シーズン終盤に試合に出ていた際も運動量が落ちていた印象がありましたし、ゴール前に待つ時間が伸びて結果的に動きが少なくなっていたところもあった気がします。
SHは中に入るか、外に出るかのバランスが大事だと思いますし、そのためには運動量も必須で今年もどれだけ動けるかが重要だと思います。
本人としてもジェフをJ1に昇格させてから今後を決めたいという気持ちもあるかもしれませんし、いろんな意味でジェフにとって大事な年になるのかもしれませんね。