前節愛媛戦では7-1で、見事な大勝を遂げたジェフ。
ただ、これで油断してはいけないと思います。
愛媛との相性もあったと思いますし、何よりジェフの決定力の高さが光った試合でもあったと思います。
実際、Jリーグのデータなどを分析している『SPORTERIA』によると、ジェフ対愛媛戦でのジェフのゴール期待値は1.65で、愛媛は0.62。
ジェフの勝ち試合だったことは間違いないと思いますが、内容で言えばそこまでの大差となる展開ではなかったと言えると思います。
角度のないところからのドゥドゥのループシュートや、小森の斜め外に走り込んでのシュートなど、攻撃陣のシュートセンスが目立った試合だったと思います。
それ以外のゴールシーンでも、相手DFが前にいてコースを限定されていたことが多かったですし、簡単ではないシュートが多かった。
とはいえ、この大勝で勢いに乗れるのではないかと思いますので、次の試合となる2位の長崎を相手にどこまで戦えるのか注目ですね。
その長崎は昨年まで指揮を執ったカリーレ監督が、突如ブラジルのサントス監督就任を発表したことで、今年に入って下平監督が就任。
その影響による準備の遅れもあってか、開幕当初は苦労していた印象もありました。
しかし、第3節清水戦で4-1の勝利を上げると、そこからは好成績を続けています。
下平監督らしくDFラインで左右に広くパスを回して相手を揺さぶり、そこからのくさびのパスでポストプレーからチャンスを伺う。
あるいは、サイドに大きく展開してSHやSBが縦に仕掛ける。
もともと長崎の戦力はJ2の中でもかなり豊富だと思いますから、はまれば怖い印象はありました。
特にはまっているのが、マテウス・ジェズスの起用法ではないかと思います。
守備時は2トップ、攻撃時はインサイドで起用されているマテウスですが、187cmと高さもある上に、足元の技術にも長けてキープ力だけでなく、攻撃に変化も付けられて、相手の間で受けられる賢さもある。
そのマテウスに縦パスを送って、司令塔的な役割を果たしたことが、チームの好調にも結び付いているように思います。
昨年も似たポジションで起用されることは多かったですが、昨年は主に長身FWフアンマと前線を組んでいました。
しかし、マテウスの良さを生かすためか、スピードのあるエジガル・ジュニオを前線において、マテウスからのパスを受ける役割を担っています。
昨年J2得点王のフアンマを外すことには勇気も必要だったのではないかと思うのですが、フアンマは守備面やスピード面では弊害もある選手ということもあって、大きな決断をしたのではないでしょうか。
下平監督はこういった外国籍選手の起用法もうまい印象があり、優秀な外国籍選手の多い長崎には合っていたのかもしれません。
なお、そのマテウス、エジガルは現在8ゴールということで、ジェフの小森、清水の北側と並んでJ2得点ランキングトップタイに付けています。
なお、長崎には岡野、新井一耀と、元ジェフCBの2人が加入していて、長崎でもポジション争いをしていました。
しかし、岡野は4月末に右前十字靭帯断裂という大きな怪我を負ってしまい、現在は離脱中。
新井も一時怪我で離れていましたが、前節鹿児島戦でサブに復帰しています。
その鹿児島戦で、長崎は3-0で勝利しています。
ただ、それまでの3試合は連続引き分けとなっており、そのうち2試合は無得点となっていました。
マテウスを中心とした攻撃に対して各チーム対策を取ってきている印象ですし、ジェフもそこを止められるかがポイントとなるでしょうか。
なお、長崎は22日(水)に行われた、ルヴァンカップでも浦和と対戦。
特別指定のDFモヨマルコム強志が退場になりましたが、浦和相手に1-0で勝利。
メンバーを多少落としていたとはいえ消耗が気になりますが、ジェフ戦でも勢いに乗って戦ってくるのではないでしょうか。
長崎とジェフは昨年の最終戦でも対戦しましたが、3-1でジェフが敗れています。
その後のプレーオフ参戦で有耶無耶になったところもありましたが、あの頃からジェフは若干流れが悪くなっていた印象もあり、今年も良いスタートダッシュを切れずに終わりました。
あの時の借りを返すためにも、良い試合を期待したいですね。