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第20節 ジェフ 1-0 徳島 均衡した展開も佐々木翔悟のロングシュートを小森飛絢が詰めて3連勝

 コロナ明けでまだ体調がスッキリしませんが、今週から少しずつ再開していきたいと思います。
 ただ、まだちょっとバタバタしているので、お休みする日もあるかもしれません。
 ご了承ください。

 ジェフ対徳島戦はどちらに転がっても、おかしくない試合だったのではないかなと思います。
 大方の予想通り、ジェフはハイプレスとロングパスからのサイド攻撃を仕掛け、徳島は流動的なパスワークでチャンスを伺う。
 どちらも持ち味の出た、試合だったとも言えると思います。

 
 ゴールシーンも佐々木の意表の突いたロングシュートがバーに直撃し、それを小森が詰めて奪ったもの。
 一発での展開でしたし、それ以外のチャンス数は大差なかったようにも思います。
 この日も小森の決定力というか、個人能力で勝った試合だったのではないでしょうか。

 しかし、これでどちらも2-1で勝利した岡山、愛媛と、接戦をものにして3連勝。
 どれもすっきりとした完勝とは言い難く、前線の選手たちの決定力にも助けられて勝利した試合だったと思います。
 そういった意味では物足りなさも感じますが、粘りというか勢いは出ている状況なのかなと言った印象です。

■一進一退の展開でスコアの動かなかった前半

 天皇杯中京大戦を2-1で勝利したジェフは、天皇杯で結果を残した高木と佐々木がスタメン復帰し、ドゥドゥがメンバー外でメンデスがサブに。
 控えからは呉屋、松田が外れて、林、新明が入りました。

 徳島も天皇杯で仙台相手に1-0で勝利。
 永木が出場停止で、児玉がアンカー役で、棚橋がシャドーに。
 ブラウンノア、西野に代わって、渡、橋本が入りました。


 徳島は攻撃時はいつも通り3-1-4-2、守備時は4-4-2に変更。
 4分には徳島の攻撃。
 左サイドの橋本からバイタルエリアにパスが通り、エウシーニョが受けてラストパスを送ると渡が受けてシュートに行きますが、佐々木がブロック。

 10分にはジェフのチャンス。
 右サイドからのCKを高木が蹴るも一度は跳ね返され、最後方で拾った小林が左前方へロングキック。
 鈴木大輔が競り勝って折り返すと、カイケがクリアミスをして日高が触りますが枠の外。


 19分にはジェフの決定機。
 左サイドの高木が、田口とワンツーで抜け出してクロス。
 小森が足元でダイレクトシュートを放ちますが、ゴールの左。

 試合は一進一退といった印象。
 徳島は細かいパスワークで間を取り、チャンスを狙っていく形に。
 ジェフははハイプレスとロングパスを基本とし、特に左SH高木から攻撃を作っていきます。


 43分には徳島の攻撃。
 橋本からのアーリークロス。
 中央の渡が胸トラップで落とし、棚橋が狙いますが、大きく右に逸れます。

 47分にも徳島の攻撃。
 中盤右からのFK。
 橋本が蹴ってこぼれたところを渡が狙いますが、鈴木大輔にあたってゴール決まらず、0-0で折り返します。

■徳島に傾く雰囲気も佐々木のロングシュートからゴール

 後半序盤は徳島が攻め込む展開となり、50分には徳島のチャンス。
 徳島のCKを一度は跳ね返しますが、徳島が拾ったところからエウシーニョが前線へロングフィード。
 こぼれ球を森がミドルシュートで狙うと、佐々木にあたって軌道が変わりますが、GK藤田がファインセーブ。

 58分、徳島は棚橋を下げてブラウンノアを起用すると、左FWに入り攻撃時は3-4-3に。
 63分、ジェフの攻撃。
 左に移っていた田中がスローインからパスを受け直してクロスを上げると、逆サイドの高木が頭で合わせますがシュートを打ちきれず。


 64分、ジェフは高木を下げて岡庭を投入。
 その直後、ジェフが先制。
 佐々木が意表を突いたロングシュートを放つとバーに直撃し、こぼれたところを小森が詰めて1-0。

 74分には徳島のチャンス。
 ブラウンノアが中央で粘って左に展開すると、橋本がダイレクトでクロスを上げ、チアゴ・アウベスが狙いますが、ジャストミートせず。
 75分、徳島はチアゴ・アウベス、渡りを下げて柿谷、高田を投入し、ブラウンノアが右で柿谷が中央に。


 得点直後はジェフが勢いを上げていきますが、その後は徳島が攻め込みます。
 81分、徳島はエウシーニョと杉本を下げて、杉森と玄を投入。
 87分、ジェフは小林、田中、小森を下げて、林、新明、品田を投入。

 88分にはジェフのチャンス。
 GK藤田からのロングフィード。
 新明が相手からボールを奪うと、森も交わしてシュートに行きますが、GKマテウスがセーブ。

 94分、ジェフは横山を下げて風間を投入。
 試合終盤は徳島が押し込む時間が続きましたが、ジェフが1-0で逃げ切りました。

■徳島のジェフ対策とジェフ最終ラインでの粘り

 普段は守備時も3バックで戦うことが多い徳島ですが、この日は4バックで守ってきました。
 ジェフが1トップな上、サイド攻撃が多いということで、そこをケアして戦ってきたのでしょう。
 右WBエウシーニョが前に出て、左WB橋本が左SBに入り、右CBカイケが右SBに回っていました。

 前々節岡山戦や前節愛媛戦を参考にしたのが、徳島はジェフの2CBにはある程度持たせて、アンカー小林をケア。
 これによって、徳島のダブルボランチが前に出て小林をケアする必要はなくなり、特に児玉は田口をしっかりと対応していきました。
 岡山は前から中途半端にプレスに行き、小林に対してボランチが前に出ていったことで、田口などが空いて押せ押せの状態が作られていましたから、そこを封じたことになります。


 するとジェフはDFから、サイドや裏を狙うロングパスが増えていきます。
 ロングパスはうまく揺さぶって蹴ることが出来れば効果的ですが、見え見えのロングパスでは跳ね返されて終わってしまうことも増える。
 徳島は4バックがしっかり準備して、無理にラインも上げることなく、広く開いて対応できていたはずだったと思います。

 しかし、大きな問題だったのが、右SBに移ったカイケだった。
 190cmの長身CBであるカイケは機動力には難があって、サイドで高木のスピードに勝てなかったし、ワンツーなどでも簡単に揺さぶられてしまっていた。
 ジェフはそこで優って、攻撃を仕掛けていきました。

 徳島も何とか対応しようと、30分過ぎからはエウシーニョを下げて5バック気味にするも、今度は日高が空いてしまったり。
 後半立ち上がりは棚橋を右に回して変則的な5-3-2にしてみたり、5-3-3に変更して見たりと、いろいろな変更をしていきました。
 ただ、その右サイドへの対応で右往左往した結果、他に力を注ぎにくくなってしまった状況もあったと思います。


 それでもカイケにこだわったのは、3バックでの攻撃を維持したいという思惑もあったのかもしれません。
 増田監督に交代してからの徳島はまず攻守に前への勢いを高めていきましたが、最近はまたパスサッカーで成績を伸ばしている印象です。
 そのポイントが3-1-4-2からなるパスワークではないかと思います。

 3バックにして中央CB森や左WB橋本などのビルドアップ能力を活かしつつ、中盤で流動的に動ける永木、児玉、杉本などのパスセンスを生かす。
 さらに、2トップ+2インサイドが中央でパスを繋ぎながら、斜め外に出ていってニアゾーンなどを狙うなど、3-1-4-2の立ち位置で良い関係を作っていきました。
 前線のチアゴ・アウベスも守備力などには課題がありますが、いやらしいポジショニングとキープ力などで決定的な仕事の出来る選手だと思います。


 ジェフもその徳島のパスワークに苦労していた印象です。
 ここ最近のジェフのハイプレスは、前ほど無理に追うことはしなくなった印象で、特に縦方向へ一度パス交換をすると、チェイスをやめる傾向も感じます。
 結局、前から同数でプレスにいき、SHもSBも、ボランチもCBもどんどん前に出ていくと、最終的にはバランスを崩して裏を取られかねないと考え、一度目のプレスで奪い切れない時はステイするという判断も増えたのではないでしょうか。

 そのため徳島戦もプレスにはいくけれど、そこまで高い位置で奪えない。
 むしろ中盤の背後を取られる機会なども多かったと思います。
 最終的には鈴木大輔などの粘りの守備で対応していきましたが、プレスがはまり切ったという展開ではなかったと思います。


 まとめるとジェフの攻撃ではうまく中盤でインサイドに付けられる展開も少なく、サイドへのロングボールが増えてしまった。
 しかし、高木のところでは勝てたので攻撃は作れた。
 けれども、高木がサイドで勝てたとはいえ、大外からのクロスが多かったですから、そこまでのチャンスは作れなかった。

 守備でもハイプレスに行けてはいたものの、バランスも気にしたプレスで、高い位置からのハーフカウンターまでは行けなかった。
 徳島のパスワークもうまく、中盤を取られる展開もあった。
 けれども、最後のところではジェフも集中して対応できていた。


 ということで、どちらに転がってもおかしくない試合だったと思います。
 しかし、佐々木の目の覚めるようなロングシュートと、小森のしっかりとした詰めで虎の子の1点を奪って勝利。
 やはり2人で勝った試合だったと思います。

 ここ最近はこういった試合が多い印象で、これを粘りや選手の成長と取るか。
 それともチームが助けられると取るかはわかりませんが、さらに上を目指すのであればチームとしてはもっと無理のない形で勝てるようにしたいですね。
 とはいえ、これで3連勝ということで、夏に向けて勢いは増しているのかもしれません。