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鹿児島戦で小林祐介のミドルシュートを田口泰士が軌道を変えて同点ゴール

 2-1でジェフの辛勝となった、鹿児島対ジェフ戦。
 16分に鹿児島が先制してからも、鹿児島ペースで試合が進んでいきました。

 しかし、37分、相手の一瞬の隙を突いて、ジェフがカウンターから攻撃。
 そこからゴールを決めて、同点に追いついた展開でした。
 流れからすればジェフはほぼ攻撃を作れておらず、一発で点を奪い返したことになります。

 小森が相手選手のトラップミスを見逃さず、高い位置でボールを奪ったところからカウンター。
 そこから田中、田口、岡庭と繋ぐと、左サイドの岡庭はマイナスのパスを供給。
 後方から走り込んでった小林がミドルシュートを放つと、田口が触って軌道を変えてゴールを奪っています。


 まず、小森のボール奪取が、大きなポイントでした。
 攻撃が作れない状況が続いていただけに、高い位置で奪って攻撃を作り、ゴールまで奪えた展開は非常に助かりましたね。
 ここ数戦は活躍しきれていない印象もある小森ですが、こうやってゴール以外でも虎視眈々とチャンスを狙う姿勢は、さすがだと思います。

 そこからパスを繋いでいって、後方から走り込んでいった小林がミドルシュート。
 ゴール前は混戦状態でもあり、相手選手にもあたって、このボールが田口へ。
 正直ラッキーなところもあったと思います。

 これに反応した田口が、ヒールで触ってゴール。
 ボールへの反応やヒールという判断も含めて、ここは田口のセンスが出たところではないでしょうか。
 当初はオフサイドではないかとも思ったのですが、奥の選手が残っていたという判断なのでしょうね。


 結果的に、ボランチ2人がゴールの最後に絡んで、同点に導いたことにもなります。
 守備時は小林と田口のダブルボランチでバランスを取り、攻撃時は小林がアンカーで、田口が左インサイド。
 シーズン序盤は離脱者などもあって中盤が固まりませんでしたが、現在はこの関係が固定化されつつありますね。

 ここ数戦のジェフは前からのプレスもあまりはまっていないだけに、中盤の守備も苦労しているところがある印象です。
 特に鹿児島はロングボールだけでなく、ショートパスでのビルドアップもうまく、後方からサイドや中盤へもパスを繋いでいった。
 それによって前から思い切ったチェイスにいけず、守備の狙いが定まらなかったように見えました。


 試合後にはオシム監督時代もマンマークで、ポストプレーなどを交えた入れ替わる攻撃に弱かったという話をしました。
 さらに、プレスに関しても、前後にパスを繋がれると、チェイスにいく選手が後ろも気になって、前にいきにくくなる。
 こういった前後の揺さぶりには、エスナイデル監督時代のジェフも弱かったところがあった記憶があります。

yukkuriikou.hatenablog.com

 エスナイデル監督時代のジェフもマンマーク気味のハイプレスを志向しており、プレスのかけ方はより今のジェフに近い印象でした。
 そういったビルドアップによる前後への揺さぶりに対して、特に悩むのがボランチだと思います。
 相手のボランチに食い付いていくべきなのか、バランスを考えてバイタルエリアを埋めるべきなのか。


 そういった状況で何とかバランスを保っているのは、小林と田口の守備センスではないかと思います。
 特に小林は最近守備で後手に回ることが多いですが、それでも何とか自身のボール奪取能力でやり返している印象です。
 小林はチームが守備面で苦労している時の方が、結果的に目立つタイプなのかなとも思いますね。

 ビルドアップの部分などでは課題も残る小林ですが、現状の守備状態が続くようであれば絶対に必要な選手だと思います。
 この日はミドルシュートでゴールもアシスト。
 カウンターになれば細かなビルドアップもあまり関係はなくなるし、現状のスタイルが小林には適しているのかもしれませんね。