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第4節終了時点でエスナイデル監督を解任

 昨夜、エスナイデル監督の解任が発表されました
 水戸戦後の感想で首が繋がったのではないかと書きましたが、そんなことはなかったですね。

 第一印象に関しては、Twitterでもつぶやいた通り。


 解任に関しては驚くことはないけれど、タイミングには疑問も感じました。


 エスナイデル監督に関して振り返ると、やはり基礎戦術を作れなかったこと。
 特にハイプレスハイラインに関してやポゼッションに関して、基礎的な部分すらできなかったことが大きな問題だったと思います。
 自分のやりたいサッカーが作れないためBプランに変更してもジレンマが発生し、自分のやりたいサッカーすら構築できないで当然Bプラン以降もうまくいかない。

 特に安定したプレスが作れなかったことはこのサッカーを実行する上で致命的な課題で、水戸の組織的に連動したプレスなどと比べると、その差は歴然だったと思います。
 水戸はプレスをかける時に、必ず複数人が同じタイミングで追いかけていき、チームで相手を囲い込んでいく。
 2トップからプレスが始まって中盤も連動して動き、パスコースなどもしっかりと消してチームとして守っていました。


 一方でエスナイデル監督のプレスは、基本的に1人で追いかけていき、個人のチェイシングがはまったら周りがついていくという形。
 個人でのプレスになるため、そこではまりきらないことが多く、その後ろのパスコースも埋めきれなかった。
 パスコースが埋まらないから縦パスを出される場面も目立ち、プレスが安定化しないからハイラインも裏を突かれることが多くなった。

 攻撃に関しても監督自身がポゼッションを望んでいたにもかかわらず、遅攻から崩す形が作れなかった。
 後方やサイドに人数をかけてボールを支配するものの、そこから中央へとパスを繋げない。
 結局サイドを縦に仕掛けてクロスとう展開ばかりになり、相手に読まれて苦戦することが多く、今年は攻守において昨年以上に内容の悪い試合が続いていた印象です。


 もちろんもともと戦術家ではないとは思うのですが、かといってモチベーターやセレクターとしても優秀とは言えなかったと思います。
 監督解任発表直後、ロドリゲスサリーナスアランダ夫人などがこぞって解任を支持するつぶやきをしていますし、近藤も不満があったことを示唆しています
 さすがに現在所属する選手たちは批判しづらいでしょうし、日本人は批判を表に出さないことが多いと思いますが、内心では思うところもあったのではないでしょうか。

 またセレクターとしてもアランダなどを使いこなせず、北爪、岡本、清武などエスナイデル監督体制では出場機会の少なかった活躍でなかった選手がライバルチームで活躍しています。
 熊谷など成功例もあるとはいえ一握りで、若手育成にも苦戦していた印象です。
 3年目となる今季は守備の穴などを埋めようと結果的にベテラン選手が増えて、若手選手がほとんどいない状況となってしまいました。


 食事改革に関しても話題先行といった印象が強く、それによってコンディションが良くなったり、フィジカル的にタフになった選手は特にいなかったように思います。
 初年度こそ怪我人が減った印象もありましたが、2年目以降は通常通り怪我人も出ていましたし、特にサブ組は練習が緩かったようなので、それによって怪我人が少なかっただけなのかもしれません。
 元ジェフGKコーチの加藤好男氏も選手時代から食事にはこだわっていたようですし、考え方としては古くから日本にもあったことではないでしょうか。

 エスナイデル監督はキャラクター的に憎めないところもあって、野中ともこ氏も「寂しい」というつぶやきをしており、一部のサポの声を代弁しているように思います。
 ただ、 水戸戦前に書いた話にも繋がりますが、ピッチ上の手腕を評価する場合には、ピッチ外のキャラクターなどを持ち込んではいけないと思います。
 そこが混同されたことによって一部では支持されていたところもあったのではないかと思うのですが、その結果としてチームの成績が低迷してしまえば結果的により多くの関係者が不幸な方向へと進みかねないと思います。


 改めて、なぜこのタイミングでの解任だったのか。
 早い段階で解任したことによって挽回できるチャンスは残されたとはいえ、そもそもこんなに早く解任を決断できるのであれば、オフに解任すればよかったはず。
 昨年も開幕4戦は1分3敗だったことを考えても、ここまでの試合内容や結果は予想の範囲内でしょう。

 シーズン中に解任となれば、後任監督の選択肢も狭まるし、後任監督の準備期間も短くなり、補強なども調整できず、違約金などの費用も無駄になるかもしれない。
 デメリットは非常に多いはずです。
 まだ契約が残っていた可能性もあるかもしれませんが、スペインでも失敗の多かったエスナイデル監督に長期契約を結んでいたとすれば、その時点で大きな問題です。


 ジェフは一部で頻繁に監督を代えるイメージが残っており、今でもそこを指摘する場合があるようです。
 しかし、実際には関塚監督時代にも2015年の時点で低迷していたにもかかわらず、2016年も続投して大きな失敗をしています。
 今回も同じように昨年クラブ史上最低成績だったにもかかわらず続投してすぐに解任となっているわけで、長谷部監督代行を挟んで2回連続で同じことを繰り返したと考えると、極めて重大なミスを犯したと言えるのではないでしょうか。

 高橋GMエスナイデル監督が「変わる」選択をしたから続投したと話していますが、果たしてそれは高橋GMの願望だったのか、それとも何らかの根拠があったのか。
 少なくとも私にはハイプレス・ハイラインの確立は1年目の段階で既に厳しく諦めるべきものだったにもかかわらず、2年目もエスナイデル監督が未練を残した結果、うまくいかなかった印象があります。
 ようするに、エスナイデル監督はむしろ頑固な指導者であり、「変われない」監督だったからこそ苦戦した印象があるだけに、いったい何を持って「変わる」と評価したのか疑問の残るところではないでしょうか。

 また、ユースがスペイン路線を実施しているから変えにくかったという話もありますが、トップチームがスペイン路線で迷走するのであれば元も子もない話だと思います。
 以前から話しているように、エスナイデル監督が解任されたらユースのスペイン路線も終わってしまうというような状況なのであれば、そもそも無理な背伸びをしていたということ。
 他に明確なコネも感じられませんし、今年のトップチームのように無理に継続して傷口を広げてしまうようであれば、むしろ早期に諦めた方が良いのではないかとすら思います。


 いずれにせよ、この段階で一度膿を出し切ることが大事ではないでしょうか。
 無暗にフロントの責任を追及するのも、無理矢理フロントを擁護するのも、逆のベクトルを向いているだけで本質的には大きく変わらないのではないかと思います。
 大事なのはクラブに何が起こって何が問題だったのかを、1つ1つしっかりと分析・評価してから次に進むことではないでしょうか。

 そういった冷静な反省がしっかりと出来ていないからこそ、ジェフは同じようなミスを何度も繰り返してきたのではないかと思います。
 今度こそは問題点を洗い出して、2度と同じミスを繰り返さないように、サポも見守っていかなければいけないのではないでしょうか。
 そして、ここから着実な一歩を歩んでいきたいですね。