スコア以上の惨敗となった千葉ダービー

 シュート数は柏が17本で、ジェフが2本。
 0-2で終わって良かったと思えるほど柏が決定的なチャンスを作った試合で、ジェフの完敗というより惨敗という表現が正しいのではないかと思います。

 これが単純に一時的な調子の悪さやチームが噛み合っていない時期なら、まだ救いもあったかもしれません。
 しかし、前節は鹿児島に勝っていますし、極端に流れが悪い中での千葉ダービーではなかった。
 その分、ショックは大きいものだと思います。


 ただ、個人的には鹿児島戦後にも書いたように、前節も試合内容は決して良いものではなかったと思います。
 2点は取ったとはいえ、攻撃はドリブルに頼る傾向が強かったし、守備は相手のミス待ちになることが多かった。
 要するに、攻守に個人能力に依存するサッカーになっていた印象です。

 そういったサッカーでは、下位の鹿児島や岐阜には通用したとしても、柏のように個人能力の高いチームには勝てないということ。
 それがはっきりとした試合だったのではないでしょうか。
 やはりここから上を目指すのであれば、現状のサッカーでは限界があるのではないかと感じてしまいました。

■前半から柏が圧倒する展開

 柏からレンタル中の増嶋は、契約でこの試合に出場できず。
 代わりに新井がスタメンに復帰し中央に入りましたが、柏の右SHクリスティアーノをマークするため乾が外に開いて、茶島がバランスを取る4バックに近い時間帯もありました。
 ベンチにはエベルトが入りました。

 柏はガブリエルに代わって菊池が出場し、そのまま左SHでプレー。
 右SHにクリスティアーノ、2トップに瀬川と江坂は変わらず4-4-2を継続しました。
 怪我から復帰した鎌田と小池がスタメンに復帰し、元ジェフの高橋峻希と上島が外れました。


 キックオフ早々、柏の決定機。
 中盤で矢田が囲まれボールを奪われたところから、パスを繋いで左の菊池へ展開。
 パスを受けた江坂がゴール前で足元を受けてシュートを放ちますが、外してしまいます。

 9分にも柏のチャンス。
 染谷からロングパスを受けた、クリスティアーノが乾の裏を取って抜け出しゴールを狙います。
 しかし、GK鈴木がファインセーブ。


 千葉ダービーということもあって、激しくファールの多い展開に。
 立ち上がりから柏が高い位置でボールを奪って、ハーフカウンターで攻め込んでいきます。
 その後は少し、落ち着きジェフがボールを持つ時間帯も増えていきました。

 それでも柏が攻め込む展開は変わらず。
 ジェフはボールを持っても高い位置まで攻め込めず、シュート機会を作れません。
 一方で柏は速い攻撃で、ジェフの裏を突いてきます。


 そして、24分、柏が先制。
 ジェフが右サイドでボールを失ったところから、江坂がDF前で受けると熊谷が寄せに出て行き、中央の瀬川がぽっかりと空いてしまいます。
 瀬川はクリスティアーノに繋ぐと、フリーでシュートを決めて0-1に。

 30分にも決定機。
 船山が中盤でボールを奪われたところから、江坂が裏へのスルーパス
 瀬川が完全に右サイドを抜け出しますが、GK鈴木が1対1をセーブ。


 33分にも柏の攻撃。
 中盤での競り合いからアバウトなボールを、瀬川がゴール前で受けてシュート。
 しかし、ゴールの左を逸れます。

 36分にも柏のチャンス。
 柏が左サイドでボールを奪ったところから、中盤の大谷が受けて縦パス。
 これをクリスティアーノPA内で受けてシュートを放ちますが、GK鈴木がセーブ。


 そして、38分に柏が追加点。
 後方でのサイドチェンジから、クリスティアーノが右サイドでキープして小池にスルーパスを出し、乾と為田が置き去りに。
 小池がフリーでクロスを上げると、中央で瀬川が合わせて0-2。

 43分にも柏の攻撃。
 右サイドからのCKをクリスティアーノが蹴って、ファーで鎌田が合わせますがGK鈴木がキャッチ。
 ジェフはシュート0本で、何とか2失点で済んだといった展開でした。 

■後半も柏が優勢で0-2の惨敗

 後半開始と同時にジェフは乾、堀米を下げて、下平、寿人を投入し4バックに変更。
 2点リードした柏は前半程無理をせず、ジェフにボールを持たせる時間が長くなりましたが、それでも柏ペースは変わらず。
 ジェフはなかなかゴール前まで侵入できません。

 54分、柏の攻撃。
 左サイドからのクロスを拾ったクリスティアーノが、小池にスルーパス
 小池がクロスを上げますが、瀬川は足元で合わせきれず。


 64分にも、柏の攻撃。
 左サイド奥で得たFKを菊池が蹴ります。
 鋭いボールでしたが、ゴール前であわず。

 72分にはジェフの攻撃。
 右サイドで熊谷のパスを受けたクレーベがドリブルで持ち込みクロスを上げるも、中央であわず。
 これがジェフにとって初めてのまともな攻撃だったと思います。


 その直後には柏のチャンス。
 小池がクリスティアーノとの1-2で抜け出し下平をかわすと、決定的なクロスを上げますが中央であわず。
 ジェフはメンバーを変えても柏の右サイドからの攻撃を止められませんでした。

 そのプレーで得たCKで柏の決定機。
 左サイドからのCKを菊池が蹴ると、ニアで鎌田が競ります。
 しかし、シュートはゴールの左を逸れます。


 75分、ジェフは為田を下げてアランを投入。
 その直後にも柏の攻撃。
 左サイドで瀬川が鳥海を抜き去ると、右の江坂が受けてシュートを放ちますが、GK鈴木が左手一本で弾き出します。

 その後も柏が攻める展開。
 ジェフは運動量も落ちて守備の寄せも甘く、厳しい流れを変えられません。
 メンタル的にも落ちてしまったところがあったようにも感じました。

 後半AT、江坂に代えて手塚を投入。
 その直後には、この試合唯一のジェフのチャンス。
 後方からのロングボールのこぼれ球を、茶島が拾ってミドルシュートを放ちますが、ポストの右。
 0-2でジェフの惨敗となりました。

■根本的な発想の転換が必要に?

 Twitterでもつぶやきましたが、この日は千葉ダービーということもあって、両チームいつになくガツガツと行く接触プレーが多くなったと思います。
 それによって1対1の局面が増えて、地力に勝る柏が圧倒した試合になったところがあるのかもしれません。

 また、前節鹿児島でジェフが勝てたのは、中盤のフィジカルで勝ってセカンドボールを拾え、そこからハーフカウンターを狙えたことだったと思います。
 しかし、柏相手にはセカンドボールを拾えず、むしろ柏が中盤で勝ったによって、逆にハーフカウンターを狙われてしまった。
 そこから相手が優勢に立っていった試合でした。


 ジェフはビルドアップが一向に改善しないので、カウンターで攻め込めず、ボールを持たされる展開になると苦戦する。
 これは前々節栃木戦などでも見られた傾向でしたから、決して柏だから苦戦したというわけではないでしょう。
 さらにそこから先に持ち込めたとしても、単独でのドリブル頼りなので1対1で勝てないとシュートチャンスすら作れず、逆に相手に囲まれてボールを奪われカウンターで突かれる回数も多かったと思います。

 守備でも中盤を開けがちで、2列目やボランチにボールを持たれてフリーにしてしまう場面が目立っていた印象でした。
 また、サイド裏を取られる傾向も今回の試合だけではないですし、特にこの日はジェフの左サイドを突かれてしまいました。
 乾から下平にかえても苦戦していたことからもわかるように、選手の問題だけではなくチームとして守備組織が作れていないのだと思います。


 一方の柏もここまでの試合では、攻撃面で苦労することが多かったと思います。
 ゆっくりとしたパスワークは作れるものの、完全には崩しきれずに得点面に悩まされていたのではないかと思います。
 さらにそのリズムにクリスティアーノなどが合わず、チームとして全体がはまり切らなかったところがあるのではないでしょうか。

 しかし、ジェフはハイラインを敷こうとしてくるので、ボールを奪えば相手の後方には広大なスペースがある。
 それによってゆっくりとしたパスワークは必要なくなり、必然的に速い攻撃が増えた。
 そして、選手の特徴も活かせて、チャンスも作りやすい展開となったのではないでしょうか。


 柏はCFタイプはいないものの、スピードとテクニックのあるアタッカーは多い。
 それに対してジェフはセットしての守備など準備すらしておらず、無暗にハイプレスハイラインを仕掛けようとした。
 しかし、柏レベルになるとロングボール一本でもチャンスを作れるパスの出し手と受け手がいるわけで、ハイプレスもはまることなく無残にやられてしまったといった印象です。

 また、柏は守備においてはもともと失点が少なく、大きな穴もなかった印象です。
 守備が堅いチームに苦戦するという傾向も、今まで通りですね。
 柏からすれば守ってカウンターという展開を実行できたということで、ジェフが前に出てきてやりやすい試合だったと言えるのかもしれません。


 相性というものも多少はあったのかもしれませんが、やられるべくしてやれたという印象のほうが強い試合だったと思います。
 遅攻状態になった時にどう攻めるのか、ハイプレスがはまらない時にどう対処するのか、サイドの守備をどのようにケアするのか、中盤の穴をどう埋めるのか…。
 そういった課題をすべて後回しにして、「勝てる相手にだけ勝てればよい」とでも言わんばかりの展開で戦ってきたつけが、ここにきているのではないでしょうか。

 さらに、それらの課題は今に始まったことではなく、監督交代前のエスナイデル監督時代から長らく感じられたこと。
 それだけに、なぜ監督交代をしても、同じような状況にはまっているのかという点で残念でなりません。
 悪い意味で進歩のない状況となってしまっているように思います。

 改めてなぜエスナイデル監督路線を、継続してしまったのか。
 継続を判断した責任は、非常に重いと思います。
 やはり根本的な発想の転換が、必要となってくるのかもしれません。