琉球戦でもスタメンのチャンが5バックの中央に

 3月6日に21歳になるチャンがちばぎんカップ柏戦に続いて、開幕戦琉球戦でもスタメンフル出場を果たしました。
 琉球戦でも引き続き、4バックの左CBでスタート。
 60分から5バックにシフトすると、途中投入の増嶋が左CBに、ゲリアが右CBに入り、チャンがセンターCBでプレーしました。

 20歳の新人にもかかわらず、落ち着いたプレーを見せていたと思います。
 カバーリングでも光るプレーを見せていたし、ポジショニングも安定していて、周りの選手に声をかけるシーンも目立っていた印象です。
 クレバーなCBなのではないかと感じますし、自分に自信があるタイプなのかなとも思います。


 ただ、後半開始直後には、相手のクリアボールを空振り。
 これを池田に拾われて縦に攻め込まれ、CKを取られるという場面もありました。
 その後一度は相手のCKを凌いだとはいえ、続く相手のCKからクレーベの背後を取ったタヴァレスにフリーでヘディングを合わせられ、バー直撃のシュートを放たれてしまいました。

 さらに、66分にも5バックにした直後に、相手の右サイドからタヴァレスがクロス。
 この前の場面で増嶋が前に潰しに行ったため、DFラインに穴が出来ていて、そのスペースに阿部が入ってフリーでヘディングシュートを放たれています。
 チャンの前を取られてしまった格好でしたし、なんとか前の穴を埋めたいところだったのではないでしょうか。


 また、ちばぎんカップ後にも話しましたが、やはり高さのあるタイプではないように思います。
 琉球戦では4分に茂木のクロスから風間宏希がヘディングシュートを放っていますが、その前にいたチャンが跳ね返せずにクロスボールが通ってしまいました。
 73分にもチャンと競った上原が頭で落として阿部が飛び込む展開を作られており、75分にもCKから鈴木に競り負けてシュートを放たれています。
 
 極端に高さがない選手ではないのでしょうが、ぱっと見でも小柄な印象を受けますし、跳躍力があるDFでもないと思います。
 どちらかといえば、読みやカバーリングで勝負する選手ではないでしょうか。
 それだけにキム・ヒョヌンとは大きくタイプが異なるし、キムの再来というような見方は違うのではないかと思います。


 キム・ヒョヌンはスピードがあって高さもあって、体幹の強いアスリートタイプのCBでした。
 それだけにキムは足元の技術などには課題があったものの、粗ささえ取れれば大きく成長するのではないかといった印象を初めから受けていました。
 一方で、チャンはスピードや高さなどはないかもしれませんが、危険なところを消すことが出来るし足元もうまい器用な選手だと思います。

 そのため、デビュー当初で考えると、完成度はチャンの方が高いように見えます。
 ただ、後半直後の空振りのように、若い選手らしい危なっかしさも多少はありますし、フィジカルに優れたタイプとは異なる。
 特に4-4-2で跳ね返す守備においてはCBの高さが必須ではないかと思うだけに、今後そこがネックになる可能性もあるかもしれません。


 尹監督は新体制発表会で岡野の名前を出してましたし、高さやスピードだけなら岡野の方が計算できるのではないかとも思います。
 ただ、尹監督の守備というものを考えると、チャンの方があっているのかなといった印象もあります。
 尹監督の守備はある程度受けに回って、中にボールを呼び込んで対応してもOKといった方法ではないかと思います。

 ようするに、ガツンと潰しに行くプレーよりは、まずは相手が前を向く選択肢を消して複数の選手で囲い込む。
 思い切って潰しに行く守備をすれば前への意識は高まるし、ボール奪取の確率も上がるかもしれませんが、そこでスカッと抜かれれば一気にピンチに陥る。
 尹監督は慎重な性格なのでしょうから、そのリスクを取るよりもまずは慎重に対応して、粘り強く守ることを重視しているのかもしれません。


 そのためガツガツと潰しに行けるフィジカルタイプの岡野よりも、冷静に相手の動きを予測して守るカバーリングタイプのチャンが良いということなのかなとも思います。
 5バックで中央を任せられたことからも、チャンには相手を潰すプレーではなくて、カバーリングなどが期待されているのではないでしょうか。
 増嶋もカバーリングが出来るタイプではありますが、高さや強さなどの面では増嶋の方が期待できるということで、増嶋が左CBだったのかなと思います。

 それらに関しては、どれがベストとは一概には言えず、目指すサッカーの方向性次第なのでしょう。
 同じ4-4-2でコンパクトなサッカーでも長谷部監督は岡野のような選手を望んで、前へ潰す意識も含む全体的にバランスの良い守備を目指しているように見えます。
 尹監督の方がよりリスクを回避する意識が高く、引いて守っても良いという発想なのかもしれません。


 チャンは外国籍選手とはいえ、開幕戦では22歳の見木も控えから外れてしまいましたし、数少ない戦力となっている若手選手ですから、今後の成長に期待したいところです。
 一方で鳥海、岡野、本村など若い日本人CBも複数いるわけですから、彼らにも頑張ってほしいところです。
 このまま行けばこのうちの誰かが夏にレンタルで放出されてもおかしくない状況だと思いますし、今からしっかりとアピールしなければいけないはずです。

 開幕戦で負傷した新井の状態も気になりますが、Jリーグの延期で結果的に復帰できる時間が作れるでしょうか。
 長いシーズンですから、今後何があるかはまだわかりません。
 ただ、少なくとも現段階では、チャンがCB争いで一歩リードしていることは事実なわけで、そこからどうポジション争いが進んでいくのか気になるところですね。