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後半は防戦一方もセットプレーの流れから3ゴールで松本に勝利

 後半の一方的な展開からすると、勝った気がしないような試合ではありました。
 個の能力で3点を奪い、何とか勝てた試合だったと思います。

 勝ち星から遠ざかっていたジェフは、スタメン7人を入れ替え。
 前半はプレスも効いていて、動きも良かったと思います。
 ただ、ターンオーバーをしていた夏場もそうでしたが、大幅入れ替えをした試合は変わった選手が意気込み過ぎるのか、久々の試合で体力的な問題があるのか、前半に飛ばし過ぎて後半からガタっと落ち込むことが多い。

 今回の試合もそうで、前半は押し込んでいたものの攻めあぐね、後半は一方的な相手の流れでしたので、全体的な内容でいえば相手の方が上回っていたと思います。
 それでも結果から言えば、堀米の左足と川又の一発で3点を奪い勝利。
 流れからのチャンスはほぼ作れず、内容としては課題も多かったですが、4試合勝ちがなかっただけに、結果が出たことに関しては一安心ですね。

■セットプレーから逆転で1-2の折り返し

 ジェフはチャン、下平が控えに回り、小島、矢田、為田、船山、山下がメンバー外。
 今季初先発の工藤がトップ下、クレーベがCF、右SHにアラン、左SHに堀米、ボランチに高橋、CBに新井で、右SBにゲリアが入り、安田が左SBに戻りました。
 ベンチにも米倉が久々に入った他、川又、熊谷も復帰し、寿人が外れました。

 ホームの松本は、前が控えで塚川が復帰。
 この日は10月に大分から加入した佐藤和弘と塚川のダブルボランチによる、3-4-3になりました。
 8月に半月板損傷で離脱していた田中隼磨が前節途中出場で復帰し、この日もベンチに入っています。


 12分、ジェフの攻撃。
 この時間は右サイドに回っていたアランから、ゲリアがクロスを上げるとニアに工藤が飛び込みゴール前に供給しますが、GK村山がキャッチ。
 この試合もジェフが立ち上がりから積極的に前に出ていきますが、時間が進むにつれて松本も押し返していきます。
 
 22分、松本が先制。
 左サイドからのCK。
 こぼれたところをセルジーニョが中盤で拾ってミドルシュートを放つと、ゴール左隅に決まります。


 しかし、26分、ジェフが同点ゴール。
 中盤左で得たFK。
 堀米が鋭いボールを蹴ると、ゴール前でゲリアがフリーで合わせて1-1。

 32分にもセットプレーから逆転ゴール。
 ゴール前右寄りで得たFK。
 ここでも掘米が蹴ると、ゴールの左に見事なシュートを決め2-1。

 その後も一進一退といった展開。
 ジェフは前への意識が高めで、松本もカウンターを狙いますが、お互いに決定機はなくジェフリードで折り返します。

■松本が押せ押せの展開も土壇場でジェフがゴール

 1点ビハインドとなった松本は、HTで鈴木、杉本を下げて中美、前を投入。
 中美はそのまま左WBに入り、前はボランチに入って塚川が右シャドーに移りました。
 後半に入ってから、松本が攻め込む展開が続いていきます。

 54分、松本のチャンス。
 左サイドからのCKから、短く繋いで受け直したセルジーニョが侵入していきグラウンダーのパス。
 中美がニアで触りますが、GK新井がセーブ。

 57分にも松本の攻撃。
 松本が中盤でボールを奪ったところから、中美、セルジーニョと左サイドでつなぐと、セルジーニョが高橋をかわしてシュート。
 しかし、GK新井が対応。


 守り時間が続くジェフは62分、堀米を下げて米倉を投入。
 しかし、67分、塚川がSBとCBの間で受けてクロスを上げると、逆サイドで中美がシュートを放ちゲリアの手にあたってPK。
 これをセルジーニョが決めて同点。 

 その直後にも、松本のチャンス。
 後方からのロングボールをセルジーニョが拾うと、左サイドでゲリアをかわして鋭いクロス。
 鳥海がクリアしたボールは、あわやオウンゴールに。


 69分、松本はセルジーニョを下げて米原を投入。
 塚川と阪野の2トップで、米原と前のインサイドによる3-1-4-2に。
 70分、ジェフも工藤、アランに代えて、川又、見木を起用。

 73分、ジェフの攻撃。
 見木からのパスを受けた安田が、大外からクロス。
 こぼれたところを拾った高橋がミドルシュートを放ち、クレーベがコースを変えますが大きく逸れます。


 その直後には松本の攻撃。
 右サイドのパスワークから、佐藤が中央の常田へ繋ぎます。
 そこから鋭いミドルシュートを放ちますが、GK新井がはじき出します。

 そのプレーで得たCKで松本のチャンス。
 左サイドから佐藤が蹴ると、ファーで塚川がフリーになってシュート。
 しかし、GK新井がセーブ。


 76分、松本は佐藤を下げて田中隼を投入。
 浦田が左WBに回り、中美がトップ下、ボランチに前、米原となりました。
 80分にも阪野を下げてハン・ヨンテを投入。

 その直後にも松本のチャンス。
 中美がバイタルエリアで受けて、左サイドの浦田へ供給。
 浦田がクロスを上げると、ゴール前でこぼれたところを中美が合わせますが、GK新井がセーブ。


 85分にはジェフの攻撃。
 右サイドからのCK。
 田口が蹴るとニアでリアが合わせますが、ゴールの左を逸れます。

 88分にも松本の決定機。
 左サイドからのCK、こぼれたところを逆サイドの田中隼が拾ってクロス。
 常田がファーで合わせますが、GK新井がファインセーブ。


 その直後にジェフのチャンス。
 田口が右サイドのCKを蹴ると、ニアですらしてファーのクレーベが合わせ、最後は川又が触りますが、相手DFがかきだします。
 これを田口が拾ってクロスを上げると、クレーベが合わせますが、GK村山がセーブ。

 しかし、これを再びジェフが拾って、見木がゴール前に供給。
 これを川又が合わせて、ヘディングで勝ち越しゴール。
 92分、ジェフはクレーベ、高橋を下げて、熊谷、チャンを投入し、5バックにして時間を消費し3-2で逃げ切りました。

■堀米も流れの中では機能せず

 流れからのチャンスは作れず、守備でも後半は押し込まれ防戦一方。
 守りの時間が長くなるのは仕方がないにせよ、守り方が悪く相手のミスに救われる展開。
 しかし、それでもセットプレーの流れからゴールを決めて勝利…というのは、今年のシーズン序盤によく見られたパターンでもあったと思います。

 そのセットプレーで素晴らしいボールを供給していたのが堀米でしたが、最近ではスタメンから遠ざかっていました。
 理由の1つには、やはり守備やスタミナ面などがあるのではないでしょうか。
 同じく守備面では課題もある為田もいますが、為田と天秤にかけて堀米の方が外れていたのではないかなと思います。


 為田は縦への鋭いドリブルや推進力があるので、攻撃が作れないチームの課題があっても、個人技で突破口を作ってくれる可能性がある。
 あるいは、サイドの奥に持ち込んでくれることによって、相手を押し込み、時間を作り、被カウンターを受ける機会をなくす。
 そういった効果も期待されて、サイドアタッカーを置きたいという狙いがあったのではないでしょうか。

 しかし、守備時のポジショニングや判断には課題があるので、逆サイドや背後には守備のできる矢田や安田を置きたい。
 堀米も真面目に守備をしようという意識は感じるのですが、対人守備には脆さがあるため為田との同時期用は難しい。
 加えて、堀米はスタミナにも問題があるため、足が止まるとさらにプレーの強度が下がる危険性がある。


 しかし、今日の試合では中央に工藤がいた。
 工藤はポストプレーヤーとの相性が良く、この試合でもクレーベが落として工藤が拾う形で、中央で前への推進力を見せてくれた。
 これによって結果的に為田がいなくても、工藤のところで突破口を作ることができた。

 また、守備に関しては左にアランを置くことで、バランスを取ろうとしたのではないでしょうか。
 加えて、松本は基本的に堅守速攻のスタイルで戦うチームであるため、堀米でもなんとかやれるという判断をしたのかもしれない。
 そして、後半途中には交代するプランが、初めからあったのかもしれません。


 もちろん今回の起用は単純にコンディションの良し悪しなどもあるのかもしれませんが、結果的に堀米はセットプレーで2点に絡み、期待に応えたことになると思います。
 とはいえ、この試合は全体的な流れでいえば、決して良い内容ではなかった。
 そのため、この試合はひとまずよかったものの、このスタメンですべてが上手くいったとは言えないと思いますし、今後もこれを続けるのか、今後もうまくいくのかに関してはまだわからない段階だと思います。

 久々の起用だからこそコンディションの良い選手もいたかもしれないし、5人交代ができるとはいえ、堀米、工藤と90分持たない選手を並べるにはリスクもある。
 右の矢田が守備専門で攻撃に絡めないのと同じように、左のアランも攻撃では使いきれていない。
 SHの片方が攻撃で機能しないとなると、全体の攻撃もどうしてもうまくいかない状況になると思います。


 そして、何より堀米自身も攻撃の流れの中では、機能させることができていない。
 この試合でもプレースキックでは存在感をアピールできていましたが、それ以外では目立たなかったと思います。
 守備で活躍する選手でもないですし、流れの中で消えている状況ではなかなかうまくいったとは言いにくいように思います。

 攻撃のタスク分担の問題と、攻撃陣の組み合わせの問題。
 これは水戸戦後にも話しましたが、これに関する何らかの答えが出ないと、攻撃面での改善の糸口はなかなか見えてこないのではないかなとも思います。
 為田も仕掛けた後の精度には課題がありますし、堀米をどうにか組み込めないかと思いますが、今季終了までにそれを期待するのは難しいのでしょうか。
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