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クレーベが横浜FCに移籍との報道

 11月末に、クレーベが横浜FCに移籍するという報道が出ました。
 書き方からしてほぼ確定なのでしょうが、個人的には少々意外な印象を受けました。
 退団に関しては妥当なところだと思いますし、行先はどうあれ今季限りでお別れだろうなと思っていましたが、J1クラブに拾われるとは予想していませんでした。

 何せ成績も、昨年は28試合に出場し17ゴールですが、今季はここまで25試合で7ゴールのみ。
 小さな怪我などはあったかもしれませんが、長期離脱というわけではなかったですし、数字上は寂しいものでした。
 しかも、クレーベの場合は守備や運動量など数字に出ない部分で貢献できるタイプではないですから、なおさら結果が重要な選手だと思います。


 ただ、J1といっても、移籍先として浮上しているのは横浜FC
 経営規模でいえばジェフの方が上なほどですから、個人昇格といっても微妙なところがあると思います。
 このオフにもG大阪渡邉千真を補強という報道がなされていますが、渡邉は今年34歳でG大阪でも宇佐美とパトリックに続いて、3番手、4番手の存在です。

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 記事には横浜FCで1トップ1番手の一美がレンタル元のG大阪に復帰するとも書かれていて、その方が大きなニュースなのではないでしょうか。
 その穴を埋めるために渡邉やクレーベを補強するという流れなのかもしれませんし、むしろ補強は後手に回っているようにも見えなくもありません。


 横浜FCは昨年までイバを中心としていたチームなので、その流れもあって渡邉やクレーベなど長身CFの補強を目指しているのかなとも思います。
 ただ、昨年までのイバは得点力だけでなく、キープ力があっての展開力もあり、周りを使うのも非常にうまい選手でした。
 クレーベもヘディングや足元でのシュートは非常にうまく、その点においてはJ1でも通用するかもしれませんが、イバほど器用に周囲を使えるタイプとは言えません。

 そのあたりがクレーベの課題で、高さ・強さはあって得点能力も高いのですが、それ以外の仕事が得意ではない。
 守備はもちろんのこと、打開力や展開力、機動力や運動量などがあるわけではないだけに、どうしても活躍できるスウィートスポットが狭く、こなせるタスクも限定的になってしまいます。
 そうなると起用する方は難しくなり、結果的に出場時間も短くなり、得点数も伸び悩む…という流れになったのが、今季ではないでしょうか。


 ここ最近はコンディションも上がってきた印象ですが、これは気温が下がって走れるようになったことが大きいのではないでしょうか。
 動きの選択自体は変わっていないですし、尹監督のサッカーにフィットしたというわけではないでしょう。
 今年は開幕戦でも動けていましたが、夏場は走れなくなって苦労していましたので、来年も夏場に入ったりコンディションが落ちたりすれば、また調子は落ちるだろうと思います。

 ジェフとしては、そもそもとしてどんなサッカーを目指すのか。
 組織的なプレッシングサッカーをピッチ全体で目指すのであれば、クレーベではないでしょう。
 山口戦で解説だった中島浩二なども「クレーベと船山の2トップでは常にプレスをかけるような感じではない」と話していたように、コンディションが良かったとしても、クレーベでは安定したプレスは期待できない。


 しかし、4-4-2で堅守を目指すのであれば、2トップからの守備は欠かせないというのが、現在のトレンドではないかと思います。
 ゾーンできっちりとエリアを分ける守備になるわけですから、1人1人の守備力が必要となるはずです。
 個人的にはクレーベを活かすために、1トップにして2インサイドに走らせるシステムなどもありなのではないかと話していましたが、尹監督はそんなことは試さず一貫して4-4-2を維持してきました。

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 あるいは、昨年の江尻監督のように、工藤と組ませて工藤が走り回って我武者羅にチェイスもしてパスも出して、運動量の足りないクレーベをサポートするという方法も考えられますが、そういった方向でもなかった。
 尹監督は得点力のあるストライカーを特別扱いし、守備を免除させるというやり方はしない方針であるように思えます。
 それで堅守を目指すということであれば、前線から走れるFWが必要となってくるのではないでしょうか。


 今年J2はルキアン、ルカオ、ヴィニシウス、イウリなど、外国人でも走れるFWが増えた印象ですし、外国人FWだから走れないという言い訳も難しい時代になりつつあるのではないでしょうか。
 あるいは走れないのであれば、イバやウタカのように得点力だけでなく、自分が走るのではなく周りを走らせるキープ力、展開力がないと厳しいのではないかとも思います。
 ジェフは来年こそ本気で堅守を構築する方向でいくのであれば、前から懸命に走れて戦えるFWを補強して、全員で守れるチームを目指した方が、イージーというかシンプルな選択なのではないかと思います。

 そこは監督の手腕や思考などにもよるところだと思いますし、しっかりと強化部と監督が話し合って来季の方向性を固めていってほしいところです。
 その上での選手構成や補強だと思いますし、来季はGMが変わるということでより一層のコミュニケーションが必要になると思います。
 今季の戦いぶりを見ると、まだまだチームの方向性において不透明なところがある印象ですし、選手以上にまずはそこを明確にすることが大事なのではないでしょうか。