当ブログはプロモーションを含みます

2020シーズンを振り返る 安田理大・米倉恒貴編

 昨年の安田は、チームの主軸として活躍。
 スタメン出場30試合はGK新井、田口に次いでジェフの中で3番目の成績で、出場時間2691分に至ってはGK新井に次ぐ2番目の数字でした。
 前年も途中から加入し出場した試合では攻守に可能性を見せていましたが、江尻監督の御眼鏡にはかなわず4試合のみに終わっていました。
 昨年ここまで出場機会が伸びたのは、やはり尹監督との相性が大きかったのでしょう。


 尹監督の守備は、基本的に引き気味で中央に人数を固める。
 こういったチームはサイド後方が空くので、どうしてもSBには一対一での守備力を問われる傾向があります。
 ジェフは守備的なSBが少ない中で、安田はしっかりと足を運んで相手のドリブルに対応できる貴重なSBだったと思います。

 また、安田は攻撃面でも貢献。
 前方の為田は縦に仕掛けられるもののクロスの精度はもう1つだったため、為田が仕掛けるも行きずまり、そこから安田が受けてクロスを上げチャンスを作るパターンも少なくありませんでした。
 さらにチームとしてアーリークロスも狙っていたので、そこでもまずまずのボールを上げていたと思います。


 しかし、シーズン後半は過密日程の影響もあってか、コンディションが落ちていった印象です。
 安田のイージーパスミスからピンチを迎えることも目立ったし、守備でも足が止まることが多かった。
 走力が求められるポジションですし、今年34歳になる年齢を考えると、フルシーズンの活躍は厳しいところがあるのかもしれません。

 それでも尹監督からの信頼は厚いと思いますし、今年も重要な主力候補となるのではないでしょうか。
 その上で、若手の台頭にも期待したいところ。
 特に今季は安田以外の左右SBが大幅に入れ替わった年ですから、新加入の選手がどれだけ安田に迫れるのかにも注目ですね。


 続いて、米倉は安田とは対照的に大きく低迷。
 最終的に22試合に出場していますが、スタメンは6試合のみ。
 出場時間808分は昨年出場したジェフ選手の中で、6番目に短い成績でした。

 シーズン途中からは怪我にも悩まされたようですが、シーズン序盤は単純にゲリアや本村とのポジション争いに敗れ、SHに回されたということになるのではないでしょうか。
 尹監督はSBに守備力を求めていた印象ですが、ゲリア退団時にも話した通り、守備力では身体能力の高いゲリアの方が計算できるほどだったと思います。
 G大阪にいって守備を学んだと話していましたが、CBの横に張り付くような守備で相手との間合いの取り方が拙く、対人守備での課題は相変わらずといった印象です。


 さらに尹監督はSBに積極的な攻撃参加を求めなかったことも、米倉と合わなかったのでしょう。
 また、SHとしても大きな結果は残せず、最後のスタメンは8月の第12節磐田戦でした。
 尹監督はSHに個人での打開力を求めているように感じますが、米倉は個人突破などは期待できないし、自らパスでチャンスメイクするようなタイプではない。

 ようするに、米倉は周りを使うのではなく完全に使われる側の存在であるため、個で打開する尹監督のサッカーでは苦労したということではないかと思います。
 ただ、米倉も今年33歳になるベテランですし、いつでも使われる側だけのプレーでは厳しいだろうと思っていました。
 この辺りは昨年も近いことを書きましたが、"ベテランらしい強み"を作れなければどこに行っても苦戦するのではないかと思いますし、米倉はスプリントとクロスだけで後は周りがサポートするという状況はもう期待できない年齢ではないでしょうか。

 米倉も今年ダメなら後がない状況になっていると思いますし、ジェフでもう一花咲かせられるかどうかというところまで来ているのではないでしょうか。
 幸いにしてSHもSBも大幅に入れ替わったことで、チャンスは回ってくると思いますので、そこでベテランらしい安定感のあるプレーが求められるのではないかと思います。
 良い意味でベテランであるという自覚を持つことで、チームを引っ張り周囲をサポートする術を習得する必要があるのかもしれませんね。

yukkuriikou.hatenablog.com