ジェフが今季初初勝利を挙げた松本戦では、ブワニカがボールを奪取したところから攻撃が始まりました。
開幕戦甲府戦でのゴールも同じような展開からスタートしており、あの時もブワニカが右サイド奥でボールを奪ってクロス。
これは中央では合いませんでしたが、逆サイドで安田が拾ってクロスを上げると、ブワニカがヘディングで合わせて2021年のチーム初ゴールを決めています。
松本戦ではまず伊東がハーフウェイラインから、ロングスルーパスを右サイド裏に出しています。
これに対して、常田の方が先にボールに対応しましたが、常田はゴールキックを取りに行って、ボールに触りませんでした。
この判断が失敗で、雨の影響もあったのか、ボールの速度は落ちていきます。
ここで、ブワニカが後ろから常田にプレッシャーをかけていきます。
そこで潰れたところボールを奪い、近くの福満につないで高橋にバックパス。
高橋が1人をかわしてミドルシュートを放ち、ゴールを奪ったという展開でした。
初先発を遂げた愛媛戦の後にも話したように、ブワニカは相手が先にボールを処理できそうな状況でも、最後までボールを追いかける。
今回は常田の判断ミスと言える展開でもありましたが、ブワニカの諦めない姿勢が実ったシーンと言えるのではないでしょうか。
ブワニカの若い我武者羅さが、チームを勝利に導いたと言っても過言ではないのかもしれません。
実際、試合開始から30分頃までジェフが押していた展開だったとはいえ、ゴールシーンを除けば有効なシュートシーンは1、2回程度。
決定機はそこまで多くなかったですし、あのゴールも伊東のパスが逸れたところからですから、ジェフから自発的に崩せたとは言えない流れでした。
それをゴールに結びつけたのは、ブワニカの懸命なチェックだったということになります。
松本戦ではブワニカだけでなく、岩崎なども含めて立ち上がりから積極的なプレーが目立っていて、それによって押し込めた展開だったと言えるでしょう。
ただ、やはり90分間は持たず、前半途中からは守備の時間が長くなって、攻撃に転ずることも出来なくなっていった。
せめてカウンターなどでやり返せれば、守備陣が休める時間も作れると思うのですが、それが出来ないのがジェフの守備の苦しいところではないかと思います。
尹監督も、試合後にこのような話をしています。
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後半には相手が(攻勢に)出てくることも想定していたことでしたし、体力的な問題も出てくるとは思っていました。
このコメントからも、ジェフは立ち上がりから飛ばし気味で戦っていたのでしょう。
となると、今後の試合も前半から飛ばして先に点を奪って、後は引き籠って試合をクローズする流れとなるのでしょうか。
ただ、それだと先に点を取れなかったときに、どう対処できるのか。
さらに、引き籠る守備でゴール前で跳ね返すだけでは、事故的な失点も起こりかねないのではないかという不安も残ります。
ジェフ戦での秋田のように、2点目を取れれば後は引いても良いとも思うのですが、セーフティマージンを稼げない悩みがあるのではないかと思います。
松本戦でのブワニカに関しては、得点はなかったものの値千金のボール奪取を見せたということで、それだけも十分な活躍だったと思います。
他選手のゴールのために献身的なプレーを見せるという点も含めて、やはり巻に似た部分を感じなくもありません。
ただ、巻もそうだったように、FWとなるとどうしても周囲から得点を求められてしまい、それが大きなプレッシャーになることもある。
それを考えるとまだ若い選手ですし、今は自分の好きなようにプレーしてほしいといった印象もあります。
それと共に、ゴール前での強みを明確に作っていきたいところですね。
今はチームとして攻撃が作れていないため、良いボールがなかなか入ってこない状況ですが、高さもある選手だと思いますしもっとそこを活かせるような形を、チームとしてもブワニカ本人も作れるようになってほしいところではないかと思います。