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第22節 ジェフ 1-1 大宮 サイドに寄るパスワークか大型2トップか

 ジェフ対大宮は1‐1で終わり、ジェフは2試合連続の引き分けとなりました。
 好調なうちに勝点を伸ばしたいところですが、ここで足踏みといった印象。
 昨年も引き分けが非常に多かったですし、勝ちきれないことが課題ですね。

 では、なぜ勝ちきれないのかと考えると、やはり攻撃の最後の部分の質なのかなと思います。
 この日も大宮は先行したこともあって、守りの時間が長かった。
 その分、ジェフが攻め込みますが、その割には有効な攻撃が少なかった。


 アタッキングサードにおける細部のところで、どこかチームとして雑なところがある印象ですね。
 具体的にどうやって崩して、どうゴールを奪うのか。
 特に前半途中からは大外からのアバウトなクロスが増えてしまって、クロスを上げているというよりは上げさせられているようにすら感じました。

 そこがこのチームの大きな壁となるのでしょう。
 サッカーは突き詰めていけば、どうやってゴールを守って、どうやってゴールを奪うのかのスポーツであり、どちらか一方だけでは勝点は増えていかない。
 その奪う部分がもう一歩足りていないため、勝ちきれない結果となっているように思います。

■攻めあぐねるもソロモンが同点ゴール

 ジェフはレオンソが練習中に負傷してメンバー外で、福満も控えに回り、ソロモンと西久保がスタメン。
 控えから川又が外れて、高木、小島が入りました。

 大宮もここ数年怪我人が非常に多く、南、矢島輝一、中野、三門、大橋などが負傷中で、泉澤がスタメンに復帰し武田が控えに。
 元ジェフ田代がベンチに復帰しました。
 前回ジェフ戦で2ゴールを上げた河田はベンチスタート。


 5分、大宮の攻撃。
 左サイド奥のスローインから泉澤がタメて、小野が抜け出しクロス。
 ファーの茂木がフリーでシュートを放ちますが、小野がオフサイド

 8分、ジェフの攻撃。
 後方のチャンから縦パス。
 ブワニカが落として風間がスイッチすると、そのままミドルシュートを狙いますが、GK志村の正面。


 ジェフは静かな立ち上がり。
 プレスにも無理にはいかず、攻撃も急がない展開でした。
 大宮もそれに合わせる形で、サイドをじっくりと繋いでいきます。

 16分、大宮が先制。
 左サイドからのCK。
 矢島が蹴るとニアで軌道が変わり、ファーの茂木が折り返して新里が詰めてゴール。


 その後は1点リードした大宮が無理をしなくなり、ジェフが持ち込む時間が続きます。
 22分には西久保が鋭いクロス。
 ファーで見木がフリーで受けようとしますが、コントロールできず。

 30分過ぎからは、ジェフが攻めあぐねてゴール前に侵入できない展開に。
 しかし、43分に同点ゴール。
 秋山がサイドを持ち上がって、風間が間で受けて見木が斜めのクロスを上げると、ソロモンがヘディングで決めて1‐1とし、そのまま前半を終えます。

■後半から勢いを増すもチャンスは作れず1‐1

 同点に追いついたジェフは、後半から前への勢いが増していきました。
 47分、ジェフのチャンス。
 左サイドからのCKを田口が蹴ってチャンがニアで合わせますが、ゴールの外。

 58分には、大宮の攻撃。
 プレスを受けた秋山がパスミスをして、高い位置で大山が受けると縦パス。
 再び大山が受け直してシュートを狙いますが、枠の外。


 68分、ジェフの攻撃。
 ソロモンの落としから風間が受けると、ブワニカも受けて縦へ。
 ソロモンが角度のないところから狙いますが、枠の外。

 65分頃から、ジェフの勢いが落ちていきます。
 70分、大宮は泉澤、矢島を下げて、武田、高田を投入。
 74分、ジェフは風間、秋山を下げて高木、福満を投入。


 後半途中からは、一進一退といった印象。
 80分、ジェフは西久保、ソロモンを下げて、矢口、佐久間を起用。
 その直後、大宮は小野、奥抜に代えて、吉永、河田を投入。 

 84分、大宮の攻撃。
 大山が中盤で粘ってカウンター。
 武田が持ち上がり高田が左からクロスを上げると、武田が頭で狙いますが合わせきれず。


 その直後、ジェフの攻撃。
 ピッチ中央右からのFK。
 右サイド裏に繋いで高木がクロスを上げると、最後は矢口がミドルを狙いますが、大きく外れます。

 86分、大宮は菊地を下げて富山を投入。
 88分にはジェフの攻撃。
 高木が右サイドからアーリークロスを上げると、佐久間が合わせますが、GK志村がキャッチ。

 試合終盤、ジェフはセットプレーを中心に攻め込みます。
 ラストプレーでは大宮がカウンター。
 3対2の状況で大宮が攻め込みますが、河田はシュートを選択して熊谷にあたり、1‐1で試合終了となりました。

■パワーを増やせば組み立てが厳しくなりMF増やせばパワーが足りない

 立ち上がりのジェフは、無理をしないゲームプランだったのかなとも思います。
 相馬監督が就任した大宮は、町田時代と同様に裏を走らせるカウンターの意識が強くなった。
 そのため、強引に前に出ていくサッカーを展開すると、その背後を突かれる怖さがある。

 また、気温の問題やシステムの問題などもあったのかもしれません。
 先週も話した通り、ジェフは4‐4‐2だと2トップ脇にスペースが出来てしまう。

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 この日も序盤はボランチでもプレーできる左SB小野から攻撃を作られて、苦労していた印象がありました。
 逆に大宮はプレス時にSHが前に出て3トップ気味に追いかけるなど、プレスのかけ方がはっきりしているように思えます。

 2トップ脇を誰が埋めるかはっきりしないということは、ハイプレスをかけられないということ。
 昨年終盤は1トップ2シャドーのハイプレスからリズムを作っていたところがあるわけですが、4バックだとそれが難しい。
 だから、静かに立ち上がりにならざるを得なかった部分もあるのかもしれません。


 そこら先制されるとジェフがボールを持つ時間が長くなりますが、前半は大外からのアバウトなクロスが目立ってしまいました。
 ここまでのジェフはサイドで4人が固まって、ハーフスペースも取ることでサイド内よりも攻略しようという意図を感じた。
 しかし、4バックになってからは、それがみられなくなりましたね。

 昨年からこのサイドに人数をかけるパスワークを実施しているジェフですが、4バックの際には2トップの一角に見木などテクニカルな選手が入ってサイドに流れることも多かった。
 しかし、現在は2トップが共にCFタイプですから、サイド寄せのパスワークが狙えなくなっている部分があるのだと思います。
 その分、2トップが大柄な2人になってゴール前にパワーがみられるようになりましたが、テクニカルな部分はどうしても損なわれることになる。


 言い方を変えれば、前線にパワーを増やせば組み立てが難しくなるし、中盤タイプの選手を増やすれば前線にパワー不足が生じる。
 それだけ攻撃がうまく成立していないとも言えるでしょうね。
 ちょうどこの日もゴールが決まったシーンでは、風間が逆サイドに流れてハーフスペースでポイントになったことで、見木が内寄りの位置からクロスを上げられたということになりますが、そういった展開が少なかった。

 後半からはより勢いを増して、中盤などでボールを拾えるようになり、攻め込む回数は増えましたが、チャンスは少なかったと思います。
 勢いで相手を押し込めることはわかったとはいえ、そこからどう明確にゴールに進んでいくのか。
 そこがアバウトなところで、押し込んでいけば相手のミスからゴールを奪えることもありますが、それだけでは上位進出は難しいのではないかと思います。


 大宮の縦への速い攻撃などを封じられたのは見事ですし、ゲームプランも結果的に良い方向に進んだのかもしれません。
 それでもジェフは前半半ばから攻めあぐね始めていましたし、ソロモンのゴールがなければむしろ大宮ペースだったのかなとも思いますが、選手たちも試合を通してしっかりと戦えていたと思います。
 しかし、だからこそ、こういった試合を勝ち切る強さが欲しいところですね。

 シーズンももう後半戦。
 このチームでは後半年の戦いとなりかねないわけですし、より細部にこだわる必要があるでしょう。
 どこまで攻撃の質を高められるかが、大きな分かれ道になりそうですね。