甲府戦の延期もありましたので、5月末に先行発表されていたJクラブの経営情報から、ジェフのデータをまとめていきたいと思います。
昨年取り上げた一昨年(20年度)の経営データでは、コロナ禍の影響もあって『営業収益』が約3億3500万円ほど減少。
ただ、「入場料収入」が約1億9300万円も減少したのに対し、「広告料収入」は約4800万円しか減っていませんでした。
にもかかわらず、「チーム人件費」は約2億9100万円も増加。
その他の費用は抑えたものの、結果的に赤字に転落してしまいました。
それを踏まえた上で、21年度の経営データを見ていきましょう。
表が横に長くなってきたので、3つにわけることにしました。
21年度は前年比で、「広告料収入」が約2億5000万円も減少。
「その他収入」は約6000万円ほど増えていますが、そこは移籍金収入などでしょうか。
それぞれ移籍金が発生したかどうかはわかりませんが、山下、クレーベ、為田、鳥海などが昨年開幕前に移籍しています。
「入場料収入」も約5500万円増加していますが、19年度には及ばずコロナ禍の影響が残っています。
結局、『営業収益』は約1億3000万円減。
前年も減少していたため、『営業収益』が23億円代まで落ちるのは、14年度以来8年ぶりということになってしまいました。
『営業費用』も約3億2000万円が減少。
『営業収益』の減少と含めて、クラブ規模が縮小化してしまったことになります。
中でも「チーム人件費」は、約3億8000万円も減少。
ジェフのクラブ規模だとそこまでの減少額ではないようにも見えますが、21年度の秋田の「チーム人件費」が約2億6500万円、栃木が3億2000万円、水戸と金沢が約3億5000万円、琉球が3億7000万円であることを考えると、非常に大きな額です。
減少してもJ2の中では「チーム人件費」上位であることからも、ジェフは強化費で恵まれているチームと言え、本来はJ2中位で喜んでいてはいけないクラブであるとも言えるでしょう。
一方、「女子チーム運営経費」が約3300万円の微増となっているのは、WEリーグスタートに合わせたものでしょうか。
それでも総額で約75000万円ですから、男子チームとは大きく費用が異なりますね。
その他の項目は大きく変わっていません。
まとめると、「広告料収入」がついに大きく減少してしまいました。
これはコロナ禍の影響なのか、それとも長引くJ2生活でいよいよスポンサーも金額を下げつつあるのか。
いずれにしても、危機感を感じなければいけないところでしょう。
また、「広告料収入」が減ったことで、「チーム人件費」も大幅に縮小となりました。
それもそのはずで、『営業収益』の大半を占めるのが「広告料収入」で、『営業費用』の大半を占めるのが「チーム人件費」ですから、「広告料収入」が減ったら「チーム人件費」も下げざるを得ない。
いかにスポンサーに頼って強化費用を賄っているのか、うかがえるところでしょう。
しかし、今後もスポンサーに何があるかはわかりませんし、それ以外でも利益を出せるようにしたいところ。
そして、お金に頼った強化だけでなく、賢く選手を育て戦えるようになりたいところですね。
今年J2に昇格した熊本も昨年の「チーム人件費」は約2億4000万円でしたが、魅力あるサッカーを続け現在はPO圏内とジェフより上を走っていますし、お金だけに頼らず良いチームを作るクラブとなってほしいですね。