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第2節 ジェフ 1-3 山形 プレスで優位を作るも細かな綻びから敗戦

 ホーム開幕戦となった山形戦は1‐3で敗戦。
 山形はさすがの強さを感じた試合でした。

 ただし、山形得意のパスサッカーから、やられたシーンは少なかった。
 むしろジェフのプレスがはまり、山形がそれに困る展開が多い試合だったと思います。
 特に前半はジェフが試合を支配していた試合内容と言えるでしょう。

 しかし、だからこそ、山形の強さを感じた試合でもあって、今年の山形はパスワークだけではなかった。
 パスワークが封じられれば、イサカの一発もあるし、途中交代の選手たちも破壊力がある。
 ジェフがプレスで疲労した後半を狙っていた印象もあり、試合巧者な部分も感じました。


 一方のジェフは、ちばぎんカップから感じていたように、粗削りで甘さの残る試合でした。
 前半終盤に攻めにいってカウンターを受けて失点したり、ミスからCKを与えてやられたり。
 チャンスはあったにも関わらず追加点を奪えなかったし、90分のスタミナを考えればゆっくりと自分たちの時間を作る賢さも必要でしょう。

 しかし、難しいのは新チームスタート当初から休む時間ばかりを考えていると、前へ激しいスタイルは確立できないかもしれないというところ。
 今はともかく我武者羅に前への姿勢を維持しつつ、ミスを減らしていくことが重要なのかもしれません。
 今回の試合も1‐3という結果はショックですが、悲観するような内容ではないと思いますし、今はこの力の差を真摯に受け止めながら、前を向く必要があるのではないかと思います。

■プレスからリードするも前半終盤に失点

 ジェフは開幕戦で途中交代した熊谷が不在となり、小林がスタメン。
 田中も出場停止で、西久保、高橋がサブに。
 また、控えGKも鈴木椋大に代わって近藤が入りました。

 山形も開幕戦でDF熊本が負傷し、西村がスタメン。
 控えには、喜岡が入っています。
 その他のメンバーは、開幕戦から継続。


 5分、ジェフのチャンス。
 高い位置で、末吉が対面の小野からボール奪取。
 持ち上がってクロスを上げると、小森が狙いますがジャストミートせず。

 ジェフは積極的なプレスで、リズムを掴んでいきます。
 前線からマンマーク気味に見て、前を向かせない。
 そこからのハーフカウンターで、ゴールを狙っていきます。


 良い流れのまま、18分にジェフが先制。
 前からプレスをかけていき、中盤で小林がボールを奪取して縦パス。
 呉屋の落としを受けた小森が持ち上がって、シュートを放ち1‐0。

 その直後には、山形のチャンス。
 後方から裏へのロングパス。
 イサカが抜け出してシュートを狙いますが、ポストの左。


 40分、山形の決定機。
 イサカがカットインしてスルーパス
 デラトーレが受けてシュートを放ちますが、ゴールの左。

 43分にはジェフの決定機。
 中盤で小林が縦パスを奪って前進。
 見木が受けてミドルシュートを放ちますが、ポスト直撃でゴールならず。

 ジェフペースで進んでいましたが、44分に山形が同点。
 カウンターから、中盤で南がボールを受けて右サイドへ展開。
 イサカがボールを受けると、そのまま持ち上がって強力なミドルシュートを放ち1‐1で前半を終えます。

■徐々にジェフのプレスが弱まり1‐3で敗戦

 後半に入ってからも、ジェフは前への姿勢を変えず。
 しかし、少しずつプレスが遅れていき、一進一退といった展開に。

 57分、ジェフの決定機。
 左サイドで小林、見木と繋ぎ、小森がハーフウェイで受けて前を向いてシュート。
 しかし、バー直撃で、末吉がこぼれ球を狙いますが、大きく外れます。


 59分にもジェフの攻撃。
 呉屋の落としを受けた小林が、ワンタッチでスルーパス
 小森が受けてシュートを放ちますが、GK後藤の正面。

 61分、山形が勝ち越し点。
 加藤がバイタルエリアで前を向くと、左前方へパス。
 デラトーレが抜き切らず、シュートを放ち1‐2。


 65分にも山形の決定機。
 松田がボールを奪われ、加藤が左サイドを持ち上がってグラウンダーのクロス。
 デラトーレ、イサカとシュートを放ちますが、何とかブロック。

 69分、ジェフは呉屋、田口、矢口を下げ、風間、高橋、田邉を投入し、風間が前線に。
 70分、ジェフの決定機。
 小林からのロングフィードを風間が落とし、末吉がニアへクロスを上げると、高橋が足元で狙いますが、GK後藤のセーブ。


 後半中頃からジェフの運動量がさらに落ちていき、スペースが出来ていきました。
 72分、山形は藤田、後藤、加藤が下がり、小西、河合、チアゴアウベスを投入。
 75分、ジェフは小林に代えて椿を投入し、見木が中盤中央に。

 76分、ジェフのチャンス。
 後方からのFKを見木が前線に送って、風間がキープ。
 末吉がラストパスを送り、椿がシュートを放ちますが、相手DFがブロック。


 79分、山形はデラトーレを下げて藤本を投入。
 82分、見木と鈴木のところでのパスミスから山形のCKへ。
 ショートコーナーから小野がクロスを上げると、チアゴ・アウベスが合わせて1‐3。

 85分、ジェフは末吉を下げて新明を投入し、そのまま右サイドに。
 92分、山形は小野を下げて山田を投入。
 ジェフは最後まで前の姿勢を見せ続けましたが、2点目は奪えず1‐3で敗れました。

マンマークでプレスをかけるも綻びから敗戦

 ジェフはマンマーク気味の守備で、プレスをかけていきました。
 守備時の基本システムが4‐4‐2だったことは変わりませんでしたが、相手のダブルボランチにはがっつりとジェフのダブルボランチマンマークに付く極端な形で対応。
 それだけ、相手の南、藤田がパスワークのカギを握っていると見たのかもしれません。

 また古い話になりますが、思い出したのはオシム監督時代のジェフ。
 あの時は阿部が相手キーマンの潰し役で相手のトップ下に対峙することが多かったのですが、鹿島などはキーマンの小笠原がボランチのポジションでした。
 どうするのかなと思っていたのですが、阿部はそのまま小笠原を見て、小笠原がDFまで下がればそこまでついていく徹底ぶりでした。


 この日のジェフも似通った形で、特に田口は前に出ていくことが多く、時間帯によっては4‐4‐2のダイヤにも近いような状況でした。
 これが功を奏す形で、特に前半は山形にほとんどパスワークからの攻撃を作らせず、ハーフカウンターも作れた。
 小林もこういったサッカーに合っている印象で、良いボール奪取からチャンスを演出していましたね。

 ただ、前半は良い流れでチャンスは作れていたものの、追加点を奪えなかったこと。
 パスミスなど細かなミスが多かったこと。
 そして、前への意識は変わらなかったものの、徐々にプレスが遅くなってスペースが出来てしまったことが敗因だったように思います。


 相手の得点シーンを思い返すと、イサカ、デラトーレの得点は個人技の強さも感じ、防ぐのは簡単ではなかったようにも思います。
 もう少しDFが寄せたり、速くカバーにいけていればといった印象もありますが、それらは少しずつ精度を上げていくしかないのでしょう。
 とはいえ、基本的には一発でやられたシーンで、相手の個人技でやられてしまうのも、昔のジェフを思い出すところがあります。

 そこは仕方のない面もあったとはいえ、いかに個人技を出させない状況を作れるような守備ができるか。
 そこまでの流れも含めて、細かな部分を精査していくことが大事でしょう。
 一発でやられたからもっと良いDFとか、こちらも一発のあるFWの補強をという発想では先はないと思います。


 この試合では、控え組の層の差も感じた部分はあります。
 それはそれで現段階の力の差として受け止めるべきだと思うのですが、それも次に対戦した時までにしっかりと成長して逆転しておきたい。
 そのためにも、やるべきことをやり続けることが大事ですね。

 悔しい試合ではありましたが、決して一方的な内容ではなく、自分たちの持ち味も出せたところもあった。
 悔しい試合だからこそ、このスタイルを継続して、より成長させて、強くなっていきたいところ。
 開幕戦の勢いのまま勝ち続けられるほど、簡単でないことはわかっていたはずですから、ここから細かなミスを減らして、賢いプレーも増やして、積み上げていきたいところですね。

 怖いのはハイテンションなサッカーなだけに、いつか緊張の糸がぷつっと切れてしまわないかという点。
 ハードワークが前提なだけに、現在のスタイルに対して疑心暗鬼になってしまうと、そこから綻びが出てしまうかもしれません。
 どこまで自分たちを信じられるか、自信をつけるためにも序盤に結果がどれだけ出せるかが重要となっていくでしょうか。