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モナコGP 異例の展開に敢えて遅く走った角田裕毅がポイント獲得

 今年のモナコGPは、珍しいレース展開となりました。
 レーススタート直後に、マグヌッセンとペレスの大きなクラッシュがあり赤旗中断。
 現在のルールだと赤旗中断中にタイヤを変更することが出来るので、これでレース中のタイヤ交換義務を果たすことが出来てしまいます。

 現在のピレリタイヤは優秀で、ハードタイヤならほぼ1レース分、タイヤが持ってしまう可能性がある。
 とはいえ、どこかで崖が来るのは怖いですから、遅く走ってタイヤを持たせたい。
 そして、ここは抜けないことで有名な市街地のモナコということで、各車ゆっくりとした走行を見せ前の車がブロックするという異例のレースになりました。


 とはいえ、そこには駆け引きもあって、特に8位角田は遅いペースとなりました。
 前車との差も開きペースが上げられないのではないかとも思われたのですが、チームとの無線によるとこれはあえて遅く走る戦略だったようです。
 9位アルボンを抑える立場にいた角田ですが、9位アルボンと10位ガスリーのタイム差が開き過ぎると、9位のアルボンがピットストップをしても順位を変えずに戻ってこれてしまい、ニュータイヤで角田にアタックを仕掛けられてしまう危険性があった。

 かといって角田が先に入ると、アルボンにそのまま逃げ切られる懸念もあるということで、タイヤを持たせつつ9位と10位の差を広げないために遅く走って、アルボンをブロックし続けたようです。
 実際、アルボンがピットインして巻き返す危険性がなくなったレース残り数周の角田は解放されて、一気にアルボンとの差を10秒以上広げていきました。
 この戦略は見事で昨年まではストラテジーに課題を抱えていたRBですが、新しいストラテジストの加入で大きく改善したようですね。


 このような見えない駆け引きが、多くのバトルで繰り広げられていたレースだったと思います。
 そういった意味である種の面白さはあったわけですが、出来ればよりエキサイティングなバトルが見たかったところ。
 今回の件でルールの変更やモナコGPの是非なども、議論されているようです。

 実際、予選のトップ10と決勝のトップ10が同じ順位という、聞いたこともない結果となってしまいました。
 ここでの優勝は、母国初優勝となったフェラーリのルクレール。
 2位にはマクラーレンのピアストリで、3位にフェラーリのサインツという表彰台のメンバーに。


 レッドブルは表彰台にも届かない、散々な結果となってしまいました。
 金曜日から苦戦していたレッドブルはフェルスタッペンが予選6位、ペレスに至っては予選16位に沈んでいます。
 決勝の赤旗がなくとも、厳しい結果になっていたのではないかと思われます。

 そこは特殊なサーキットであるモナコGPによる影響もあったとは思いますが、その前のイモラでも他チームとの差は縮まっていただけに、単純にレッドブルが苦戦しているのか周りの追い上げが激しくなっているのかもしれません。
 次は1週間空いてカナダということで、また違った特性のサーキットとなりますが、上位争いも面白い展開となってきましたね。