2-0でジェフが勝利した、大分対ジェフ戦。
ジェフの試合内容も良くなかったというお話をしましたが、Jリーグのデータなどを分析しているSPORTERIAでも大分のゴール期待値は1.01、ジェフは0.7と、ジェフが劣勢の数値が出ています。
DAZNの中継による試合後のゴール期待値も大分が1、ジェフが0.78でしたから、ほぼ同数で信頼できる計算結果なのではないのでしょうか。
もちろん、ゴール期待値が全てではないし大分の状態は良くなさそうでしたから、トータルで言えばジェフの勝ち試合だったことには間違いないと思います。
ただ、ジェフの昇格や今後の試合までを考えると、物足りなさも感じる試合だったのではないかと思います。
そんな中でも、ジェフの小森は2ゴールをマーク。
1点目は相手GKのミスから小森がプレゼントパスを受けて、しっかりとゴール左に決めたもの。
🎦 ゴール動画
— Jリーグ(日本プロサッカーリーグ) (@J_League) 2024年9月1日
🏆 明治安田J2リーグ 第29節
🆚 大分vs千葉
🔢 0-1
⌚️ 39分
⚽️ 小森 飛絢(千葉)#Jリーグ pic.twitter.com/FIkGyqiOXj
バックパスを受けたGKムンに対して風間がプレスに行っていたことは事実ですが、かっちりとプレスがはまりきっていたシーンではなかったと思います。
GKムンにはまだ時間的にもスペース的にも余裕はあったはずですし、大分の他選手たちは左右でパスコースを作る動きも見せていた。
セーフティにロングボールを蹴る選択肢だってあったわけですが、GKムンが一番難しい中央を狙ったパスをダイレクトで狙ってしまったことで、パスミスとなって小森が決めたシーンでした。
試合の流れからしてもジェフのプレスが徐々に弱まって、大分が守備とビルドアップを改善し始めた38分。
やってはいけないプレーで、周りの士気にも関わるようなプレーだったのではないかなと思います。
続いて、64分にも小森がゴールを決めています。
左サイド後方にいた、小川からロングパスを受けた右SH岡庭がクロス。
小森が中央でぽっかりと空いて、ヘディングで合わせてゴールを奪っています。
ここも大分の守備の甘さが出たシーンだったと思います。
🎦 ゴール動画
— Jリーグ(日本プロサッカーリーグ) (@J_League) 2024年9月1日
🏆 明治安田J2リーグ 第29節
🆚 大分vs千葉
🔢 0-2
⌚️ 65分
⚽️ 小森 飛絢(千葉)#Jリーグ pic.twitter.com/Gob6tYDY9C
小川のサイドチェンジは素晴らしく、岡庭のクロスも非常に良かったと思います。
小森のヘディングシュートもしっかりと合わせたものですが、3人はほぼ全員フリーでプレーしています。
フリーな選手がこれだけ出ればゴールが生まれるのは必然ですし、大分の守備問題が出た場面だったと思います。
大分は前半終盤から攻め込む時間が長く、特に後半に入ってからは押し込む展開が続いていました。
それもあって久々に守備に入ったこの時に、集中力を欠いたところもあったのかもしれません。
攻め込んでもなかなかチャンスも作れない攻撃面に、気持ちが切れかけたところもあったのでしょうか。
また、大分は後半から4バックに変更していました。
5バックだと後方が重くなりすぎて攻撃を受ける時間が長くなってしまうし、何より1点ビハインドで攻撃に転じなければいけないという意図もあって、最終ラインを1枚減らしたのかもしれません。
しかし、それによってこのシーンでは、逆サイドのスペースがあいてやられてしまったことになります。
確かに小川のロングパスによって、最終ラインの目線が変わってポジショニングがおかしくなった部分もあるかもしれない。
ただ、クロスが上がる前のゴール前の動きを見てみると、左CB安藤は右CBペレイラに小森をマークするように指刺しで指示を出している。
にもかかわらず、ペレイラは歩いて戻って小森がフリーになっており、明らかな連係ミスだったと思います。
小森としては何ら変わった動きをしておらずに、ヘディングシュートを収めたシーンだったと思います。
もちろん相手の隙を見つけて、確実にゴールを奪うことは大事なこと。
しかし、それ以上に大分の問題の方が目立つ、2ゴールだったように思います。
逆に小森のプレーで感銘を受けたのは、8分のシーン。
左サイドでのスローインの流れから、品田が前線の小森に縦パス。
下がって受けた小森は反転してミドルシュートを放つと、ポスト直撃でゴールとはなりませんでした。
このシーンでは相手DF香川が付いてきたにもかかわらず、うまく反転で相手を交わして前を向いています。
香川は小森から見て左からチェックに来ていたので、それを小森が逆手に取って右から反転して守備を外したシーンでした。
少し香川の寄せが遅いと判断したのかもしれませんが、香川の重心が片方に寄り過ぎていると把握して逆を取ったのではないかと思いますし、小森のセンスが光ったターンでした。
けれども、チーム全体として振り返ると、試合に序盤にあれだけ攻撃機会があったにもかかわらず、決定機はこのシーンくらいでした。
この場面もミドルシュートでゴール前に入っていけたとは言い難いですし、そこがやはり大きな課題と言えるのではないかと思います。
仙台戦のように後半途中から押せ押せの展開が作れれば、相手の疲労もあって楽にゴール前まで侵入できるのかもしれませんが、相手が守備をしっかりと固めた時にどう仕掛けていくのか。
ともかく、小森はこれで2試合連続2ゴールをマーク。
これで14ゴールを上げてJ2得点ランキング2位タイとなり、1位のいわきFW谷村に1ゴール差と迫りました。
ただ、2位タイには長崎のエジガル・ジュニオもいますし、3位の仙台FW中島も11ゴールと、得点王争いもまだまだわからない状況です。
奇しくも、いわき、長崎、仙台などはジェフも含めて、プレーオフ争いの渦中にいるチーム。
誰がシーズン終盤のヒーローになるのかも含めて、ここからの昇格争いを楽しみに見ていきたいですね。