当ブログはプロモーションを含みます

アランが山口戦で今季初ゴール

 山口戦でも右SHでスタメン出場したアランが、今季初ゴールを上げました。
 この日のアランはアシストも決めており、2ゴールに絡む活躍をしたこととなります。

 10月6日の山形戦で4月28日の大宮戦以来となる、ほぼ半年ぶりのスタメン出場となったアラン。
 しかも、今回は以前のFWではなく右SHとしての出場でした。
 続く長崎戦は累積警告で出場停止となりましたが、翌戦となった柏戦、山口戦と2試合連続でスタメン出場を果たしてします。


 ここにきて、ようやくジェフの右SHが固定化されることとなるのでしょうか。

f:id:aratasuzuki:20191028175640p:plain

 江尻監督就任後のジェフは、見木がスタメン出場した7月7日の徳島戦から本格的な4バックを始めたことになりますので、表の通りここまで右SHで3試合連続スタメン出場した選手はいません。
 アランは山口戦でも結果を残しているだけに、初めて3戦連続で出場する右SHとなるのでしょうか。
 一時は右SHのレギュラーに一番近かったように思われた堀米は、もう2カ月近くスタメンで出場していないことになります。


 以前にも取り上げた通り、山形戦でのアランは献身的なプレーで貢献していたと思います。
 山形戦での貴重なゴールはアランのキープから始まり、アランが中央から右サイドに送ると、クロスを上げた米倉をアランが追い越すことによって、米倉のマークをはがす効果を生みました。
 ポストプレーなども見せていましたし、体を張ったプレーが出来ていたと思います。

 山口戦でも元ジェフの中島浩二がほめていた通り、守備でも健闘していました。
 戻ってからの守備でもサイズがあるため存在感があるし、プレスにおいても工藤と共に効果的に追いかけるなど効果的に動いていました。
 為田などもプレスに行くことはあるものの、追いかけるのがワンテンポ遅くはまり切らないことが多いですが、アランはタイミングや追い込む角度も含めてプレスにセンスを感じる部分がありました。


 また、攻撃においても1点目のクロスは、走りながらの状況で素早く上げていますが、精度の高いクロスボールを上げています。 
 クレーベの強さも光ったシーンではありますが、あの体勢でピンポイントなクロスを上げるには、技術もフィジカルも必要だったと思います。
 また、裏に走ってボールを引き出しクロスを上げたことになりますが、ジェフは足元で受けようとする選手が多いだけに、貴重なプレーだったと思います。

 自身のゴールに関しては、米倉のアーリークロスをニアでクレーベが落とし、アランが飛び込んで足元で決めています。
 これまでクレーベが直接ヘディングで狙うパターンが多く、クレーベに誰かが絡んでゴールを決めた展開はあまり多くなかったと思います。
 2列目には小柄なドリブラーやチャンスメーカータイプが多いだけに、アランがゴールも狙えるようになれば、ゴール前の幅も広がるかもしれません。


 アラン加入時にも話した通り、アランは使い方をはっきりしないと生きないタイプではないかと思います。

17年の東京Vは1トップが基本だったもののの、左ウイングに入ったアランがゴール前に飛び出し、攻撃時には2トップ気味になる形で戦っていました。
チーム全体として、アランがゴール前に走り込める形を作っていたと言えるのではないでしょうか。
そこにはサイドで持ち上がれてチャンスを作れる安西の存在も大きかったのではないかと思いますが、昨年はその安西が鹿島に移籍。
藤本、佐藤優平、泉澤などの加入もあってか、チームの進歩もあったのか、全体としてよりパスを繋ぐ方向になっていった印象があります。
それもあってアランの立ち位置が難しくなった部分もあったのかもしれませんし、アランが活躍できるような"型"を作ってあげないと活躍できないタイプなのかもしれません。

 アランは守備もできるし、足元の技術もある程度あるし、前にも走り込める選手。

 ただ、いろいろできる選手ではありますが、かといってすべてを同時にこなせる選手ではない。
 不器用なところがあるだけに、やることをはっきりとさせてあげないと、オーバータスク状態になってしまうのかもしれません。
 現在は右SHで起用されFWよりも仕事が限定されることにより、結果的にプレーしやすくなった部分があるのでしょうか。


 個人的には山形戦でも可能性を感じたし、今のジェフの2列目には足りない高さや守備、献身性を持った選手ではないかと思っていました。
 確かに柏戦では軽いミスも多かったですが、それは他の選手も同じこと。
 全員がダメな試合だっただけに、アランだけを厳しく評価するのは違うと思います。

 にもかかわらず、山口戦前などのTwitterではアランへの風当たりが厳しい印象を受けました。
 それは柏戦でのミスもあったのでしょうが、それまでに活躍できなかったことも大きかったのでしょう。
 確かに途中出場をしても、チャンスを決めきれないなど、波に乗り切れていない印象もありました。


 ただ、基本的に江尻監督は途中交代のカードを切っても、うまくいかないことの方が多い。 
 寿人なども途中出場で起用が多いですが、チームとしてパスワークを展開できず、スルーパスでのチャンスメイクなどはほとんどできないだけに、寿人も全く活躍できていない印象です。
 山口戦でも寿人の起用は「守備の圧力をかける」ためと江尻監督が説明していますが、寿人自身も守備は頑張ってはいるものの、正直そこまで守備で貢献できるタイプではないと思います。

 寿人が活躍できないのはチームの問題もあるとは思うのですが、パスワークを作れなければ活躍できない寿人のスイートスポットの狭さでもあると思います。
 アランの方がまだ幅の広い印象もありますが、寿人が活躍できないのはチームのせいで、アランに関しては本人だけが厳しく扱われるのはさすがに違和感も感じました。
 アランは助っ人だから結果を残さなければいけないという意見もあるのかもしれませんが、寿人の方が年俸は高いのではないかと思いますし。


 山口戦では、増嶋の途中投入も失敗に終わった印象です。
 増嶋は以前にも途中起用されて苦戦した試合がありましたし、単純に途中投入では良いプレーができないところがあるのではないでしょうか。
 そもそも後方の選手ということで途中起用されることは少なかったでしょうし、ウォームアップのリズムなどがうまく合わないのかもしれません。

 3バックにしてますます押し込まれたことを考えると戦術的にも問題のある交代で、結果的にクレーベを下げて逆転されエベルトを前線に上げるなどチグハグな戦い方となってしまいました。
 それだけ試合を読む勝負師としての部分が、江尻監督には足りていないのかなとも思います。
 もちろん戦術や基礎部分の構築も上手くいっていない印象ですが、結局は一部分ではなく総合的に求められるのが監督としての素質なのでしょうし、現状だとかなり苦しいところがあるように思います。