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左インサイドの位置から飛び込む田口泰士が愛媛戦で2ゴール

 愛媛戦でのジェフの得点者を改めて振り返ると、田口が2ゴール、岡庭、ドゥドゥが2ゴール、小森、椿で、合計7ゴールということになります。
 その中でも開始40分で決めた田口は、結果的にこの試合を象徴するかのような展開となりました。

 GK藤田からのロングパスに小森が抜け出すと、切り返して1人を交わし、そのままシュートを放ちバー直撃。
 このこぼれ球に、走り込んでいった田口が頭で合わせてゴールとなっています。


 愛媛の守備にも問題を感じたシーンで、まずバー直撃のこぼれ球に対して、しっかりとクリアできませんでした。
 ゴール前のボールに対して落下させない、先にしっかりと触るというのは守備の基本だと思いますし、ドゥドゥが競っていたとはいえ、ちょっと対応が弱かったと思います。
 また、田口のシュートに対しても相手は反応してキックしていますが、クリアしきれずにゴールということで2度ミスが続いたといっていいシーンだったと思います。

 守備側のミスが2つも続けば、失点する確率はかなり高い状況になると思うのですが、ジェフ側の攻撃も良かったと思います。
 まずGK藤田のキック精度、視野の広さもあって前線に良いボールが出ていますが、ここでも小森の裏抜けのセンスが光りましたね。
 常に裏を狙っているからこそ生まれた展開だったと思いますし、ボールを受けた時点で完全に相手の前を取っています。


 小森はそこから一度冷静にボールを止めて、スライディングで来た相手を交わしてシュート。
 このシュートまでの仕掛けが見事でしたが、残念ながらバー直撃。
 小森としては、決めたいところだったと思います。

 しかし、そこからこぼれたボールに対し、後方から田口が走り込んでいってヘディングシュート。
 少し遅れて飛び込んでいったことによって、フリーで狙えたところがあったと思います。
 シュートまでいく動きも良かったですし、密集の中でしっかりと合わせた良いシュートだったと思います。


 ここ数戦の田口は守備時は左ボランチ、攻撃時は左インサイドのポジションでプレー。
 個人的には今年ジェフが試している、2インサイド固定化に関してはあまり良い印象を持っていないのですが、その中でも左インサイドに入った田口はうまくプレーしていると思います。
 田口がこの状況を変える可能性もあるのでしょうか。

 ビルドアップ時にはうまくサイドのパスワークに関与したり、前に動き出すことでスペースを作ったりと、賢いプレーで攻撃を活性化している印象があります。
 中盤の間で受けるような、インサイドらしい新しい動きを習得したというわけではないし、2列の選手のように前を向いて鋭く仕掛けるわけでもない。
 しかし、田口らしい賢い動きやポジショニング、キープ力などを活かして、自分なりのインサイドの動きを見出したのかもしれません。

 さらに、そこからゴール前に飛び込んで、今回のようにゴールにも迫っています。
 もともとヘディングは苦手なタイプではなかったとは思うのですが、ゴール前に入るタイミングが素晴らしく、うまく1トップの背後などを狙って、クロスに合わせている印象があります。
 こういった田口のベテランらしい動きによって、ようやく2列目のメリットも感じられる部分が出てきたと思います。


 愛媛戦ではCKからもファーでフリーになってヘディングシュートを決めており、それも含めると田口は今季4ゴール。
 ジェフに加入してからの田口はスペシャルな動きを見せつつつも、意外とゴールやアシストは少ない点が若干物足りなく感じてもいました。
 これまでジェフ加入後最多ゴールは2020年、2021年の2ゴール止まりとなっています。

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 田口の4ゴールとなると2018年の磐田時代にあげており、2017年の名古屋時代の9ゴールがキャリアハイとなっています。
 今季はどこまで、田口のゴール数が伸びるのか。
 今後の起用法も含めて、注目ではないかと思います。