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第23節 清水 2-0 ジェフ 大人なサッカーを展開した清水を前に力負け

 梅雨を通り越して、真夏のような暑さとなっている日本列島。
 静岡も非常に暑かったそうですが、清水は序盤から積極的に前への姿勢を見せてきました。

 開始早々に清水が先制すると、その後も攻勢に。
 それでも気温を考えればどこかで落ちてくるかもしれないし、清水も守備には課題がある。
 失点も早い時間帯でしたし、ジェフも耐えればチャンスがあると思っていました。


 しかし、劣勢のジェフは耐えることをせず、攻める展開になり打ち合いに。
 そこから決定的な2失点目を浴びて、かなり苦しい状況になってしまいました。
 小林監督は大人なサッカーを否定していますので、攻めのスタイルしかないということではあるのでしょうが、それが上位の清水相手には脆さとして現れてしまったのかなと思います。

 逆に清水は、ジェフ押せ押せのペースになりかけた60分頃。
 後方でじっくりとショートパスを繋いで時間を使い、ジェフの勢いを削ぐなど賢い対応を展開していきました。
 その後、3バックにして守備を固めた戦い方も含めて、大人なサッカーだったと思います。

 もっとも、展開に関わらずここ数戦ジェフの内容はあまり良くなかったですから、力のある清水相手にそれが浮き彫りになっただけにも思います。
 特に今のジェフは攻守に1対1の場面が多いですから、清水のように個々の能力が高い相手には苦労するところがある印象です。
 その上でどう上位を目指すのかを問われた試合だったようにも思うのですが、ジェフとしては光明が見えずに終わってしまったのかなと思います。

■清水の猛攻を耐えきれず2点ビハインドの前半

 ジェフは横山がスタメンに復帰し、風間がベンチに。
 サブからエドゥアルドが外れました。

 乾、カルリーニョスが出場停止の清水は、矢島、ブラガがスタメン。
 控えには成岡、蓮川が入りました。
 元ジェフの北爪もベンチに。


 3分、清水にいきなりのアクシデント。
 メンデスとの接触もあり、松崎が負傷交代し白崎を投入し、左SHブラガが右に回って、白崎が左に。
 そのプレーで得た中盤からのFKを、山原が直接狙いますが、ゴールの左。

 6分、清水が先制。
 GK権田からのロングキックをブラガが受けると、矢口をかわしてグラウンダーのクロス。
 白崎が飛び込んで合わせゴール。


 13分にも清水のチャンス。
 白崎とのワンツーで山原が左サイドを抜け出して、グラウンダーのラストパス。
 しかし、矢島に合わず。

 16分にも清水のチャンス。
 右サイドの原からスルーパス。
 北川がメンデスの裏を取ってシュートに行きかけますが、GK藤田がセーブ。


 その直後にはジェフの攻撃。
 小森のポストプレー、角度のないところから岡庭がミドルシュート。
 しかし、GK権田がセーブ。

 29分、清水の攻撃。
 右サイドでブラガが、メンデスをかわしてクロス。
 これは合いませんでしたが、原が拾ってシュートを放ちCKへ。


 そのプレーで得たCK。
 矢島が蹴ると、ニアでフリーになっていた高木がヘディングシュート。
 これが決まって0-2に。

 32分にも清水の攻撃。
 中盤でボールを拾った、中村からダイレクトで縦へ。
 北側が受けて反転しシュートに行きますが、枠を逸れます。


 その後はジェフがボールを持つ時間が徐々に増えていきますが、チャンスは作れず。
 51分にも清水の攻撃。
 カウンターで最後はブラガがシュートを放ちますが、GK藤田がセーブし0-2で折り返します。

■ジェフが攻め込むも得点が奪えず0-2で敗戦

 後半開始早々、ジェフの攻撃。
 相手のパスミスから、岡庭が持ち上がって横山へ。
 横山がミドルシュートで狙いますが、枠の外。

 50分過ぎからジェフが攻め込む展開が続き、51分、ジェフの攻撃。
 田中からのクロスは合いませんでしたが、こぼれたところを田口がミドルシュート。
 これもブロックされますが、高橋が拾ってミドルシュートを放ち、バーの上を逸れます。


 59分、ジェフは矢口を下げてドゥドゥを投入し、岡庭が左SBに。
 62分、清水は矢島、ブラガを下げて、吉田、北爪が投入され左右WBに回り、原が右CB、山原が左シャドーに。
 66分、ジェフは横山、小林、メンデスを下げて、林、品田、松田を投入。

 76分、ジェフのチャンス。
 中盤から持ち上がった田口がミドルシュート。 
 こぼれたところをドゥドゥがミドルで狙いますが、GK権田が横っ飛びでセーブ。


 ビハインドとのジェフが攻めて行きますが、徐々に勢いが落ちていきます。
 78分、ジェフは田中を下げて岩井を投入。
 83分、清水は北川、山原を下げて、タンキ、成岡を投入。
 
 85分、清水の攻撃。
 左サイド奥からのFK、こぼれたところを吉田がミドルシュートで狙いますが、枠の外。
 試合終盤のジェフは攻め込むことも出来ず、清水にしっかりと逃げ切られて終わりました。

■守備の立ち回りでもビルドアップ重視の展開でも課題が

 ここ最近のジェフの対戦相手は下位チームが多かったこともあって、しっかりとジェフ対策をしてきた印象でした。
 しかし、清水は上位チームということもあって、特別な対策をしてこなかったのではないかなと思います。

 インサイドの田口や横山が空くことも多かったし、極端にサイドや裏を警戒していた印象もなかった。
 それでも左右SBの山原や原は1対1に強いですし、特別な対策をしなくても対応できるだろうと。
 自分たちのスタイルで勝てるだろうという判断で、戦ってきたのではないでしょうか。


 特に前半のジェフは完敗といった印象で、良いところのない試合内容でした。
 まず矢口やメンデスが相手のスピードある攻撃に対応できず、左サイドを簡単に突破されてしまった。
 確かに矢口の対応には課題もありましたが、それもわかった状況で戦っているわけで、何の対策もなくカバーもなくやられるというのは、無策と言えるでしょう。

 しかし、それだけではなく、中盤中央でも簡単に縦パスを通され、そこから後手に回っていた印象もあります。
 清水はブラガ、白崎が中央に絞って、矢島もトップ下にいて、そこに北川も下がって絡んでくる。
 それによってボランチの左右でパスを通されることが多く、そこからリズムを掴んでいった印象です。


 特にここ最近のジェフは、ボランチエリアのスペース管理に課題を感じる。
 プレスがはまっている時はいいですが、はまらない状況でもボランチの片方が食いつくことが多い上、攻撃時もアンカーシステムになることもあって、ダブルボランチが縦関係のまま守備対応することが多い。
 そこで左右のスペースにギャップが生まれて、パスを通されるという展開が、清水戦の前でも見られました。

 さらに清水戦では上記の通り多くの清水選手がボランチエリアでパスを受けようとするため、ジェフは相手の中盤の選手たちを捕まえきれずに苦戦していった印象です。
 結果的に清水はFW北川の後方に3人もいるため前線のこぼれ球を拾いやすくなっていたし、北川も活かしやすい中央でのパスワークが作れる。
 左右SHが開くジェフとは、対照的だったと思います。

 ただ、試合当初に起用されていた松崎は、どちらかと言えば縦へ鋭いアタッカー。
 それを考えても、最近課題を感じていたジェフのボランチ関係を、あえて狙ったわけではないと思います。
 あくまでも自分たちの戦い方を優先した上で、しっかりと勝利した試合だったのではないでしょうか。


 一方のジェフは、後半から相手が2点リードも得て守備重視になり、運動量が落ちたこともあって、攻め込める回数が増えていきました。
 清水は前からのプレスも少なく、ジェフのボランチもフリーにさせていて、ビルドアップはやり放題といった状況でした。
 そのためジェフは品田を投入し田口の2ボランチ気味にして、右足でのキックもある松田も起用して左の佐々木と共に、ビルドアップ重視の方向を選んだのではないでしょうか。

 ただ、特に今年のジェフは、パスワークからのチャンスがなかなか作れず。
 後半もパスは回せても奥までは侵入せず、結局はミドルシュートからの展開がメインとなってしまいました。
 相手が引いたこともあって、小森などのスピードも活かせませんでしたし、結局は強引な展開が多かったようにも思います。

 結果的にジェフは冒頭で話したように、相手が攻め込んできた時の立ち回りでも、ビルドアップ重視になった攻撃でも清水に劣ってしまった印象です。
 それでも後半いくつか攻撃の形が作れたのは救いですが、それも相手が引いて構えたからこそという点は差し引いて考えるべきではないかなと思います。
 上位を相手にしたことで自分たちが足りないことは分かったように思うのですが、では具体的に何が今必要なのかまでがわかるかどうかが大きな問題ですね。