昨日、ジェフが磐田から小川大貴のレンタル加入を発表しました。
小川は2014年に明治大から磐田に加入。
そこから11年間、磐田でのプレーを続けていました。
ジェフは選手の入れ替わりが激しいので、そういった選手を迎えるのはなかなか重くも感じますね。
当初は磐田でも出番が限られていましたが、2017年以降は20試合以上に出場。
J2に降格した2020年には41試合出場を果たしましたが、翌年には鈴木雄斗が加入したこともあって出場機会が減少しています。
今季は怪我もあって出遅れた上、大卒新人の植松が西久保を抑えて右SBの主力になるなどしたため、小川の出場は3試合に留まっていました。
小川は右SBが本職ですが、左SBもこなせる選手。
フィジカルが強くしっかりとした守備から、スピードを活かしたスプリントを仕掛けていくイメージです。
左右両足で強いキックを蹴れることも特徴でしょう。
現在のジェフは、右SB高橋が不動のレギュラーとしてプレーしています。
さらに右SB松田陸もCBとしてではありましたが、前節清水戦の途中から久々の出場を果たして、十分に可能性を見せてくれました。
ちょうど先日、山越加入時にもっと松田陸にチャンスを与えてはどうなのかという話をブログでしましたが、そのチャンスで一定の成果を上げてくれたように思います。
そういった右SB事情を考えると、小川は左SBの補強と考えるのが自然でしょう。
ちょうど左SB日高が2試合連続でメンバー外となっていますし、鈴木大輔の負傷後に山越が補強されたように、今回も緊急補強なのかもしれません。
日高が長期離脱となれば、チームにとって大きな損失ですね。
しかし、左SBでは昨年本職ではない松田陸も試されましたが、全く機能しませんでした。
もともとビルドアップ時には右SBが絞り、左SBは開いて幅を取る形になっているので、右利きの松田では厳しいところがあった。
小川はより左足でも蹴れるタイプではあるとは思うのですが、細かなパスワークで左足を主に使えるのと、単純に左足でのキックを持っているのとではまた違うと思うので、そのあたりがどう出るのか心配なところもある気がします。
とはいえ、今回の小川補強は、守備面の穴埋めという意図が強いのかもしれません。
日高の代わりに起用されている19歳の矢口は、守備面でかなり苦労している傾向にあります。
それも受けての、緊急補強なのかなと感じなくもありません。
もっとも、矢口も可哀想なところがあると思います。
前節清水戦では序盤にブラガとの1対1でやられて、失点に結びついてしまいました。
ただ、このシーンでは全体が前へのプレスにいこうとしていたところから、GK権田のロングボール一本でひっくり返され、完全に1対1の状況を作られてしまった。
そこにはサポートもカバーも誰もないない状況で、いくらSBは1対1での対応が重要とはいえ、さすがに厳しいところもあったと思います。
もともとは左SBでの1対1の守備ではここまでの試合でも苦戦していたことがわかっていたはずで、インサイドでのプレーも見ると周りとの連携で良さが出るタイプではないかとも思います。
にもかかわらず、失点後もサポートなくやられた展開もあって、試合後に厳しく無策と書かせていただきましたが、こうなる懸念があったからこそ、先週上げたYoutubeでも矢口に対して「丁寧に育ててあげたい」と話したところがあります。
小林監督は攻守において1対1を大事にすることを何度も話しており、確かに最後はそこが重要になってくることは事実。
ただ、昔からのジェフはスター選手はおらず、個人だけでは勝てないのでチームで戦い、成功してきた歴史もあります。
そこを引きずり過ぎては老害と言われても仕方がないとも思うのですが、実際今のジェフもJリーグ全体では決して金満ではなく、J2でも予算面では厳しくなっているだけに、個人の能力主体の戦い方だけでは勝ち進むのは厳しいのではないか。
そんな昔の発想を、清水戦を見て思い出したところがあります。
やはり清水は1人1人の能力が高いし、打開力だけでなく守備力もあって、相手に勝てなかったのは矢口だけではなかった。
守備の選手で失点に結びついたからこそ矢口が目立っただけで、「1対1で勝つこと」をベースに戦うだけでは無理があるのではないか。
だいぶ話は逸れてしまいましたが、小川に関してもまずは攻守での1対1が問われるのでしょうし、その点も期待しての補強なのではないかと思います。
しかし、開幕前から層が薄いのではないかと話していた、CBに左SBを補強していることになりますし、欲を言えば本職の左SBが欲しかった気もします。
離脱者が出たことによる緊急補強であると考えられるとは言え、その分プラスアルファの補強は難しくなるかもしれませんし、怪我人がでていることも含めて後手に回っている部分も感じられる状況となっていますね。