当ブログはプロモーションを含みます

熊本戦でも序盤から相手にバイタルエリアを取られて苦戦したジェフ

 オリンピック代表も気になりますが、もう少しジェフ対熊本戦のお話しもしていきたいと思います。
 ジェフは中断直前の最終戦、熊本戦を0-2で落としてしまいました。

 前々節清水戦でもバイタルエリアを相手に取られて劣勢に立たされたように見えたジェフですが、前節熊本戦でも中盤をうまく埋められずに苦戦してしまった印象です。
 清水戦では先週もお話ししたとおり、相手の左右SHが中に絞る動きを取っていたこともあってうまく相手を捕まえきれなかったようにも見えましたが、プレスが中途半端になってその裏を取られてしまった試合だったと思います。

yukkuriikou.hatenablog.com

 熊本戦でも相手の流動的なパスワークを止められず、苦戦していきました。
 例えば17分のシーン。
 上村からの横パスを受けた岩下が、左サイドに開いていた古長谷に縦パスを通したところから、相手の攻撃がスタート。

 古長谷からはテンポよくパスを繋いでいき、バイタルエリア左を取った伊東から、ダイレクトで前方の豊田へ。
 豊田も素早くバイタルエリア右を取った唐山に繋ぎ、前を向かれてしまいます。
 唐山は石川へ当てますが、うまく日高が遅らせたこともあり、その後のクロスがミスになって終わっています。

 熊本の攻撃は不発に終わりましたが、ジェフからすれば黒い円で示した通り、バイタルエリアを左右を取られてしまったことにもなりますし、中盤の守備に不安を感じるシーンでした。

 ジェフは9分にも高木の後ろ、田口の左横を取られる縦パスを通されており、そこから唐山が鋭いミドルシュートを放つ展開を作られています。
 それだけ試合序盤のジェフは良かったという関係者の発言もありましたが、そこまで良い内容ではなかったと思います。
 熊本のボディーブローのようなパスワークが徐々に効いていって、プレスをかけられなくなっていった時間帯であって、プレスから何度が攻め込めたとはいえ、劣勢になりつつある経緯を見ている状況だったのではないでしょうか。


 図のシーンでは、赤線と黄線で示しましたが、豊田がうまく小川の後方に流れたことによって、品田が最終ラインまで下がって対応しています。
 ジェフもマンマーク気味の守備ですから、品田の動きは自然だと思うのですが、それによって田口の1アンカーのような状況になって左右のバイタルエリアが空いてしまいました。
 そこで伊東がフリーになって、縦パスを出されたことになります。

 さらに逆サイドでも唐山がうまいポジションを取ったこともあって、バイタルエリアでフリーに。
 高木が絞るべきだったようにも思いますが、唐山は一度前線にいたところから下がっているので、日高が見ると思ったのかもしれない。
 その分、外の大本と、右CB大西をケアするために、高木が絞れなかったのでしょうか。


 9分のシーンでも高木は裏を取られていますが、ここでも大西と大本と唐山に囲まれて、うまく守備に入れない状況でした。
 以前のようにガンガンとプレスにいって潰しにいける守備なら迷いもなかったのでしょうが、現在はコンディションも落ちているのかプレスに行ききれていない。
 図のシーンでも田中は岩下に寄せ切れてはいませんでした。

 その時にどう守備をするのかが、ハッキリしないですね。
 伊東に対しても田口が行くべきだったのか、松田が前に出るべきだったのか。
 逆サイドでも唐山に行くべきだったのは、日高なのか、高木なのか、田口なのか。


 ジェフ場合マンマーク気味の守備とはいえ、4バックは横のラインも大事にしているところがある。
 こういった状況で、どこまではマンマークでついて、どこまでいったら受け渡すのかなどは、非常に悩ましいところだと思います。
 オシム監督時代のジェフもマンマークとは言えすべてについていくというわけではなく、坂本と竹田がどう受け渡すのか練習試合の後に長く話し合っていたシーンを見たことがあります。

 そのあたりの守備の整備が、今はうまくいっていないのではないかと思います。
 やはりプレス時の戦いだけではなく、それ以外の戦い方をしっかりと身に付けなければいけないのではないか。
 中断によってコンディションを戻せればまたプレスにはいけるのかもしれませんが、プレス以外の守備が安心して構築できないとまたいつかプレスにも迷いが生じてしまう可能性があるかもしれませんね。